ホン・サンス監督の長編25作目「イントロダクション」&長編26作目「あなたの顔の前に」同時公開
2022年4月4日 22:00
韓国の名匠ホン・サンス監督が手掛けた長編25作目「イントロダクション」と、長編26作目「あなたの顔の前に」が、6月24日から同時公開されることが決定した。ホン監督は、長編27作目「The Novelist's Film」が、ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員大賞)を受賞。“3年連続銀熊賞受賞”という快挙を果たし、さらなる注目が高まっている。
2021年のベルリン国際映画祭で銀熊賞(脚本賞)受賞した「イントロダクション」は、モラトリアムな時期をさまよう青年を主人公にした作品。前作「逃げた女」の変奏バージョンとしても楽しめるモノクロームの青春映画だ。将来の進路も定まらず、まだ何者にもなれないナイーブな青年ヨンホ。韓国とベルリンを舞台に父、恋人、母との再会という、3つの“抱擁の物語“を通して、一人の若者の人生が紐解かれていく。
主人公ヨンホ役は「逃げた女』の“猫の男”役で奇妙なインパクトを放ったシン・ソクホ。そのほか「お嬢さん」のキム・ミニをはじめ、ソ・ヨンファ、キ・ジュボン、チョ・ユニほか、ホン監督作品の常連キャストが顔を揃えている。日本版ポスタービジュアルでは、ヨンホが海から上がってくる姿に「Introduction【名詞】紹介。序文。入門。導入。」のキャッチコピーが添えられている。
「イントロダクション(Introduction)」という言葉が持つ多様な意味を全て内包するために「あえて英語を採用した」というホン監督。ホン監督のフィルモグラフィにおける初の英語タイトルとなっている。
2021年・カンヌ国際映画祭プレミア部門オフィシャルセレクションに招待された「あなたの顔の前に」は、中年女性サンオクを主人公に一人の女性の心の深淵に迫るストーリー。日本では、第17回大阪アジアン映画祭の特別招待作品として初上映。ホン監督の公私にわたるパートナーのキム・ミニが、プロダクション・マネージャーを務めたことでも話題を集めた。
主演を飾ったのは、韓国歴代の名監督とタッグを組み、40年のキャリアを誇る大女優イ・ヘヨン。ミステリアスかつ複雑な主人公を体現し、2022年の国際シネフィル協会賞主演女優賞を受賞。なお、ホン監督の最新作「The Novelist's Film」でも主演を務めている。
長いアメリカ暮らしから突然、韓国へ帰国した元女優のサンオク。母親の死後以来、久しぶりに家族と再会を果たすが、帰国の理由を明らかにしない彼女の内面には深い葛藤が渦巻いていた…。サンオクはなぜ自分が捨てたはずの母国に戻り、思い出の地を訪ね歩くのか? 捨て去った過去や後悔と向き合いながら、かけがえのない心のよりどころを見出していく、たった一日の出来事が描かれていく。
日本版ポスタービジュアルは、静かに前を見据える主人公サンオクの“顔”と眠る妹を見つめる彼女の姿を活写。キャッチコピーには「天国が隠された場所」が採用されている。
「イントロダクション」「あなたの顔の前に」は、6月24日からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開。
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