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【パリ発コラム】「ドライブ・マイ・カー」効果? 日本映画への注目更に高まる 田中絹代監督特集、「男はつらいよ」全作上映

2022年2月27日 15:00

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田中絹代監督特集ポスター
田中絹代監督特集ポスター

昨年のカンヌ国際映画祭から始まった濱口竜介監督作「ドライブ・マイ・カー」の快進撃の効果もあり、いま再び日本映画に対する注目がフランスで増している。3月には、昨年のキノタヨ映画祭で披露された岨手由貴子監督の「あのこは貴族」や、三島有紀子監督の「Red」の劇場公開が控えている。

そんななかで今回ご紹介したいのは、大女優にして日本史上ふたり目の女性監督でもあった「田中絹代監督」の特集上映だ。田中は監督デビュー作の「恋文」(1953)を含め、6本監督作を生み出したが、その全作「月は上りぬ」(55)、「乳房よ永遠なれ」(55)、「流転の王妃」(60)、「女ばかりの夜」(61)、「お吟さま」(62)の4K修復版が、フランスで一挙に劇場リリースされた。

本企画のきっかけは、2年前に遡る。2020年のロカルノ映画祭で、当時のディレクター、リリ・アンスタンが、田中監督作の特集上映を企画。だがコロナの影響で映画祭自体がキャンセルとなり、またアンスタンもこの年ディレクターを退任し一旦は白紙に戻った。それをカンヌ国際映画祭のディレクター、ティエリー・フレモーが引き継ぎ、カンヌ・クラシック部門で「月は上りぬ」を上映。そして彼が運営するリヨンのリュミエール映画祭で、他の5作もワールド・プレミアを迎え、「月は上りぬ」の劇場配給権をすでに持っていたCARLOTTA FILMSが、全作をリリースすることになったものだ。

溝口、小津、成瀬が巨匠として広く受け入れられているフランスでは、女優としての田中はよく知られているものの、監督作が公開されるのは初めてであり、画期的な出来事と言える。

田中はメガホンを握った理由をかつて、「国会に女性議員が選ばれるようになったいま、女性の監督がいてもいいと思ったのです。わたしは長いこと、男性がおそらくは理解し得ないような、女性によって撮られた女性たちを描きたいと思っていました」と語った。

「月は上りぬ」撮影風景
「月は上りぬ」撮影風景

戦後間もない中で、女性が監督をするだけでも大変だったはずだが、独自の視点を貫き、さらに「お吟さま」のような壮麗な時代劇から社会的な視点の作品までさまざまなタイプの作品を撮った手腕にも圧倒される。

今回の公開を記念して、劇場を訪れた観客に無料配布する田中絹代の小冊子を記し、現在田中のドキュメンタリーを準備中の、批評家で監督のパスカル=アレックス・バンサンは、その作品についてこう評価する。「彼女は女優としてはつねに被害者の側の役柄を演じてきましたが、ひとたびカメラの反対側に立ったとき、とても独立した、強く自由で、欲望も持った女性たちを描きました。そこが同時代の男性監督たちの視点とはとても異なるところだと思います。また6作品を見ると、彼女の監督としての進歩も見てとれる。初監督作の『恋文』では成瀬監督のアドバイスを受けたそうですが、まだ演出は不安定なものの、『女ばかりの夜』はとてもダイナミックで、この時代に出てきた大島渚吉田喜重らが持つヌーベルバーグの要素もある。最後の『お吟さま』では、溝口組のスタッフや脚本家も加わりながら、壮麗な時代劇をアーティスティックな側面も含めて見事にまとめています。フランスの観客にとっても、この時代にすでに素晴らしい日本の女性監督がいたのだということを発見する良い機会だと思います」

たしかに、昨今の女性監督の活躍ぶりを見るにつけても、このタイミングでの公開はなんともタイムリーな印象がある。

画像3提供:パリ日本文化会館

もうひとつご紹介したいのは、日本映画の最長シリーズで、昭和の象徴でもある「寅さん」だ。山田洋次監督のライフワークでもある「男はつらいよ」寅さん映画全50作品を、なんと1年にわたってパリの日本文化会館が上映する。フランスでは本シリーズはいまだよく知られていないため、これも貴重な機会と言えるだろう。義理人情に満ち、日本の伝統を汲んだ寅さんの世界は、とくに日本文化に興味のある海外の観客にとって、興味深いにちがいない。上映は今年12月まで続く予定だ。(佐藤久理子)

■パリ日本文化会館HP(https://www.mcjp.fr/ja)

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