伝説的マフィアの生涯描く「ギャング・オブ・アメリカ」 名優ハーベイ・カイテルが若い世代に伝えたいこと
2022年2月17日 19:00

「タクシードライバー」「テルマ&ルイーズ」「レザボア・ドッグス」など、映画史に残る数多くの傑作で、唯一無二の存在感を刻む名優ハーベイ・カイテルが主演、禁酒法時代から半世紀にわたりアメリカの暗黒街を支配した伝説的マフィアの人生を描いたクライムドラマ「ギャング・オブ・アメリカ」が公開中だ。このほど、映画.comがカイテルにメールインタビューを実施した。
カイテルが演じるのはユダヤ系ロシア人で、1911年に米国に移住したマイヤー・ランスキー。映画は、サム・ワーシントン演じる作家が、年老いたランスキーに伝記執筆のためのインタビューを行い、そこで語られるランスキーの人生を、1910年代から80年代まで、時代を行き来しながらサスペンスフルに描いていく。

自身も東ヨーロッパ移民のユダヤ人の両親の間に生まれたニューヨーク出身のカイテル。「マイヤー・ランスキーの移民物語はアメリカの伝説の一部ですから」とオファーを受けた理由を明かす。「私の両親もアメリカ移民でした。彼らの苦労を私はよくわかっていました」と、ランスキーの生き方にも共鳴した。
監督・脚本を手がけたエタン・ロッカウェイの父親であるロバート・ロッカウェイが、実際に生前のランスキーに取材し、映画では半世紀以上におよぶギャングたちの抗争の記録のほか、第2次大戦中の米国国内のドイツのスパイ工作に対抗する作戦への関与、キューバなどへのカジノ建設など政治との密接なかかわりも描かれる。

完成作について「監督のエタン・ロッカウェイは、ランスキーのアメリカへの移住を、豊かな人間模様で表現したと思います」と評価する。これまで、マーティン・スコセッシ、リドリー・スコット、クエンティン・タランティーノら巨匠、名匠と呼ばれる監督陣の数々の傑作に出演しているが、出演作はどのような基準で選ぶのかと問うと、「名作を生みだしたクリエイターたちが自らの人生の歩みを惜しげなく共有してくれているとわかったときです」と明かす。
自身の出演作を見返すことや、とりわけ思い入れの深い作品はあるのかと尋ねてみた。「妻や息子が見ているのを一緒に見ることは時々ありますね。スコセッシ、ジェーン・カンピオン、タランティーノ、リドリー・スコット、ウェス・アンダーソン、ベルトラン・タベルニエなど、たくさんの監督と何本も映画で仕事をする幸運に恵まれているので、お気に入りを選ぶのは難しいですね」

今作は、老いたランスキーがその波乱万丈の人生を振り返る物語だ。長年の俳優としてのキャリアを重ね、「私は世界で最も偉大な才能を持つ人たちと一緒に仕事をするという幸運に恵まれました。その私たちの作品が、良い本のように、彼らが正しい選択をするために影響を与えたことを願っています」と若い世代にメッセージを送る。そして、もし、次の人生があるとしたらまた俳優という職業を選びたいと明言。「でも、次は演出や脚本を勉強して自分の表現の可能性を広げたいですね」と付け加えた。
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