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彼は、英雄か詐欺師か…? カンヌ・グランプリ受賞作「英雄の証明」予告編披露

2022年1月27日 08:00

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イランの巨匠アスガー・ファルハディ最新作
イランの巨匠アスガー・ファルハディ最新作
(C)2021 Memento Production - Asghar Farhadi Production - ARTE France Cinema

第74回カンヌ国際映画祭でグランプリとフランソワ・シャレ賞を受賞し、アカデミー賞の有力候補のひとつとしても注目を集める「英雄の証明」の予告編が披露された。

メガホンをとったのは、イランの巨匠アスガー・ファルハディ監督。ベルリン、カンヌ国際映画祭で数々の賞に輝き、「別離」「セールスマン」でアカデミー賞外国語映画賞を2度制した。母国イランとヨーロッパを股にかけて活躍するファルハディ監督は、日常の中に生じた小さなひび割れのような出来事が、人生を根底から揺るがす事態に発展していく様を、サスペンスフルかつ情感豊かに描出してきた。

本作では、人間の倫理観を問う普遍的なテーマを追求するにあたり、SNSやメディアの影響力に着目。主人公の振れ幅の大きな運命を通して、真実というものの曖昧さ、社会に潜む欲望やエゴを、現代的な切り口であぶり出す。

画像2(C)2021 Memento Production - Asghar Farhadi Production - ARTE France Cinema

舞台は、イランの古都シラーズ。ラヒムは借金の罪で投獄され服役している。そんな彼の婚約者が偶然、17枚の金貨を拾う。借金を返済すればその日にでも出所できる彼にとって、まさに神からの贈り物のように思えた。しかし、罪悪感に苛まれたラヒムは、落とし主に返すことを決意。そのささやかな善行は、メディアに報じられると大反響を呼び、ラヒムは“正直者の囚人”という美談の英雄に祭り上げられていく。

画像3(C)2021 Memento Production - Asghar Farhadi Production - ARTE France Cinema

予告編は、服役囚のラヒムが休暇中に、金貨の落とし主を探して銀行を訪ねるシーンから始まる。テレビの取材を受けたことで一躍時の人となるラヒムだったが、SNSで金貨の行方を問う噂が広まると状況は一変。吃音症の幼い息子も巻き込み、周囲の狂騒に翻弄されていく。

本作は、カンヌ国際映画祭に加えて、第93回ナショナル・ボード・オブ・レビューの脚本賞、外国語映画賞などに輝き、第79回ゴールデングローブ賞では非英語映画賞にノミネート。本年度の米アカデミー賞国際長編映画賞ショートリストにも選出されている。

英雄の証明」は、4月1日からBunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテにて公開。

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