ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞発表　作品賞はポール・トーマス・アンダーソン監督新作「Licorice Pizza」

写真：Everett Collection/アフロ

米アカデミー賞前しょう戦のひとつとして注目される米ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞が12月2日（現地時間）に発表され、作品賞にポール・トーマス・アンダーソン監督の新作「Licorice Pizza（原題）」が輝いた。

同作は、子役出身の映画プロデューサー、ゲイリー・ゴーツマン（「マンマ・ミーア！　ヒア・ウィー・ゴー」）の学生時代の体験をもとにしたR指定青春映画で、アンダーソン監督の出世作「ブギーナイツ」と同じく1970年代のカリフォルニア・サンフェルナンド・バレーを舞台に、35mmフィルムで撮影している。故フィリップ・シーモア・ホフマン氏の息子クーパー・ホフマンが主人公ゲイリー・バレンタイン役、ロサンゼルス出身の3姉妹バンド「ハイム」のメンバーであるアラナ・ハイムが主人公が恋するアラナ役で主演するほか、ブラッドリー・クーパー、ショーン・ペンらが出演。アンダーソン監督は監督賞を受賞し、映画デビューを果たしたホフマンとハイムはそろってブレイクスルー演技賞を受賞した。

主演男優賞は、テニス未経験ながらビーナス＆セリーナ・ ウィリアムズを女子テニス界最強の姉妹に育て上げた父親リチャードの半生を描いた伝記ドラマ「ドリームプラン」のウィル・スミスが受賞。主演女優賞には、スティーブン・スピルバーグ監督「ウエスト・サイド・ストーリー」にオーディションで約3万人のなかから選ばれた新星レイチェル・ゼグラーが輝いた。助演男優賞は、ケネス・ブラナー監督が自身の幼少時代をもとに映画化した「Belfast（原題）」で、ブラナーの祖父役を演じたキアラン・ハインズが受賞。助演女優賞は、「ドリームプラン」でリチャードの妻役を演じたアーンジャニュー・エリスが選ばれた。

また、優秀作品には「Belfast（原題）」「ドント・ルック・アップ」「DUNE デューン　砂の惑星」「ドリームプラン」「最後の決闘裁判」「ナイトメア・アリー」「Red Rocket（原題）」「マクベス」「ウエスト・サイド・ストーリー」の9作品が選出された。

主な受賞結果は以下の通り。

▽作品賞
「Licorice Pizza」
▽監督賞
ポール・トーマス・アンダーソン「Licorice Pizza（原題）」
▽主演男優賞
ウィル・スミス「ドリームプラン」
▽主演女優賞
レイチェル・ゼグラー「ウエスト・サイド・ストーリー」
▽助演男優賞
キアラン・ハインズ「Belfast（原題）」
▽助演女優賞
アーンジャニュー・エリス「ドリームプラン」
▽脚本賞
アスガー・ファルハディ「A Hero（原題）」
▽脚色賞
ジョエル・コーエン「マクベス」
▽ブレイクスルー演技賞
アラナ・ハイム＆クーパー・ホフマン「Licorice Pizza（原題）」
▽新人監督賞
マイケル・サルノスキ「Pig（原題）」
▽アニメーション映画賞
「ミラベルと魔法だらけの家」
▽外国語映画賞
「A Hero（原題）」
▽ドキュメンタリー映画賞
「サマー・オブ・ソウル（あるいは、革命がテレビ放映されなかった時）」
▽アンサンブル演技賞
「ザ・ハーダー・ゼイ・フォール　報復の荒野」