トム・ホランドはなぜスパイダーマンに抜てきされた? マーベル社長が認める“素質”
2021年12月27日 12:00
全米で大ヒット公開中のトム・ホランド主演「スパイダーマン」シリーズ最新作「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」。2022年1月7日からの日本公開を前に、ホランドのスパイダーマンとしての資質について、マーベル・スタジオ社長であり本作の制作プロデューサーでもあるケビン・ファイギのインタビューから紐解いていく。
スパイダーマンと言えば、マーベルコミックス作品の中でもキャプテン・アメリカ、ソー、アイアンマンなど筋骨隆々で完全無欠のヒーローとは違い、ごく普通の高校生が様々な葛藤や悲しみを乗り越えながら、ヒーローとして成長していく姿が読者の心を掴んだ。過去2シリーズの映画では、アカデミー賞受賞作「サイダーハウス・ルール」で主役を演じたトビー・マグワイア、「ソーシャル・ネットワーク」のアンドリュー・ガーフィールドの2人が悩めるヒーローの青春と葛藤を演じてきた。
ホランドは、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に途中から参戦する、注目と期待の集まるスパイダーマン役に、当時ほぼ無名ながらキャスティングされた。MCUを立ちあげたプロデューサーでもあるファイギは「制作プロデューサーのエイミー・パスカルに会って、スパイダーマンの映画を一緒に作り、MCUに登場させようと最初に打診したとき、そして彼女とソニーの了解を得て、(ソニー・ピクチャーズのCEO)トム・ロスマンが参加し信じてくれたとき、大きなプレッシャーだった。人々にイエスと言ってもらうことと、自分が話していたことを実現するというのは別のことだ。そのための最初のステップがキャスティングで、一緒に成長していける、他のマーベルヒーローと対等に演じることができる最年少のピーター・パーカーを見つけよう、というものだった」と明かす。
そのキャスティングは、新たなスパイダーマンの登場となった「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」の撮影中にも行われていた。
「トニー・スタークが重要な役割を果たすことがわかっていた。当時『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』はすでに撮影中だったが、ピーター・パーカーをキャスティングしてこの作品の最初の撮影に参加させることができるかどうかわからなかった。しかし、我々はそのために全力を尽くしたかった。そこで、5人の俳優を現地に送り、ロバート・ダウニー・Jr.と一緒に台本の読み合わせをしてもらったんだ。特に他の俳優と自分の時間に対して、彼はいつも寛大だったよ。そして、その読み合わせで候補を絞っていった。クリス・エバンスとも行った。そしてトム・ホランドは素晴らしいピーター・パーカーであるだけでなく、信じられないほど素晴らしいスパイダーマンであることが明らかになったんだ。彼は俳優としての素晴らしい才能と、優秀な体操選手とスタントパフォーマーとしての能力の両方を持っていたからだ。それは嬉しいボーナスであり、我々を驚かせ続けている」
さらに、ファイギは撮影当時を振り返り「彼(ホランド)はエバンスの目の前で大宙返りをして、とても驚かせたことを覚えているよ。先ほども言ったように、若きトム・ホランドとロバート・ダウニー・Jr.が初めて交流したときに起こる強力な化学反応は、まさに若きピーター・パーカーとトニー・スタークが初めて交流するときのものだった」と語っている。
「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」は、2022年1月7日から公開。
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