湊かなえ「母性」を廣木隆一監督が映画化! 2022年秋に公開
2021年11月9日 08:00

人気作家・湊かなえ氏の累計発行部数90万部を超えるミステリー小説「母性」を廣木隆一監督のメガホンで映画化することを、ワーナー・ブラザースが発表した。撮影は既に終えており、2022年秋に公開を予定している。
著書の映画化、ドラマ化が相次ぐ湊氏が、「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説」と言わしめるほど心血を注いで上梓した物語が「母性」だ。ある女子高校生の遺体が見つかったことに端を発した、「母と娘」を巡るミステリー。
並々ならぬ思いで執筆した作品だからこそ、湊氏は「映画化の話をいただいた際は、限られた時間でどの部分を切り取るのだろうかと、少し不安が生じました」と胸中を明かす。それでも「脚本を読んで、切り取るのではなく、物語の大切なところをすくい上げ、映画として膨らませていることがわかり、安心しました」と安堵。さらに「原作者としてではなく、一観客として楽しみにできるのは、監督やスタッフ、役者の方々を信頼しているからで、そのような映像化になったことを心から嬉しく思います」と製作サイドへの信頼をにじませた。
メガホンを託された廣木監督は、国内外40以上の映画祭で数々の賞に輝いた「ヴァイブレーター」をはじめ「余命1ヶ月の花嫁」「軽蔑」「さよなら歌舞伎町」など、デビューから約30年にわたり第一線で活躍し続けてきたベテランで、最新作「ノイズ」が22年1月に公開を控えている。
「湊さんが書かれた小説は前から気になっていたので、今回映画化することができて嬉しく思いますと同時にプレッシャーでもありました」と、オファーを受けた際の心境を語った廣木監督。「湊さんが書かれた親と子どもの関係性は普遍的である一方、様々な姿を3人の中に見せてくれました」と手応えのほどをうかがわせた。
今回、主演の発表はなかったが、これまでの湊作品には松たか子、吉永小百合、井上真央、鈴木京香、榮倉奈々ら人気、実力を兼ね備えた面々が名を連ねている。今作の“母と娘”を誰が演じるのかにも注目が集まる。
「母性」のストーリーおよび、湊氏、廣木監督のコメント全文は以下の通り。
女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。さかのぼること11年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。
永遠に愛され、庇護される立場(娘)でありたい母親と、その母親から愛されたい娘の物語です。毒親でもなく、虐待でもなく、だけど大切なものが欠けた関係。それを、自分が母親と娘の両方の気持ちを持っているあいだに書きたいと、このテーマに挑みました。ちなみに、今はもうどちらの気持ちも持っていません。
映画化の話をいただいた際は、限られた時間でどの部分を切り取るのだろうかと、少し不安が生じました。しかし、脚本を読んで、切り取るのではなく、物語の大切なところをすくい上げ、映画として膨らませていることがわかり、安心しました。一つ一つの場面が、役者の方々の演技や表情で、受け止め方が大きく変わってくる繊細な構成において、どのような感情を湧き起こさせてもらえるのか。原作者としてではなく、一観客として楽しみにできるのは、監督やスタッフ、役者の方々を信頼しているからで、そのような映像化になったことを、心から嬉しく思います。
湊さんが書かれた小説は前から気になっていたので、今回映画化することが出来て嬉しく思いますと同時にプレッシャーでもありました。母親と娘の話なので僕で大丈夫なのか心配でした。反面、どんな親子なのか興味あふれる物でした。でも、湊さんが書かれた親と子供の関係性は普遍的である一方、様々な姿を三人の中に見せてくれました。どうぞ、女性の方ばかりではなく男性の方にも観ていただきたい映画になっているのでぜひスクリーンでお確かめ下さい。
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