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ジョディ・カマー、「最後の決闘裁判」で「力と勇気を持てた」 共演俳優のファンだったことも告白

2021年10月15日 12:00

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マルグリットを演じたジョディ・カマー
マルグリットを演じたジョディ・カマー
(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

グラディエーター」「ブレードランナー」などのリドリー・スコット監督がメガホンをとった「最後の決闘裁判」が、今日10月15日から公開を迎えた。女性が声を上げることのできなかった時代に、裁判で闘うことを決断した勇気ある女性マルグリットを演じたジョディ・カマーが本作について語り、役柄へのリサーチのほか、共演のアダム・ドライバーのファンだったことを明かした。

史実としていまだに真相不明なフランス最後の決闘裁判を、事件を告発した被害者、被害者の夫、訴えられた容疑者の3人の視点で描く。騎士カルージュ(マット・デイモン)の妻マルグリット(カマー)が、夫の旧友ル・グリ(ドライバー)に乱暴されたと訴えるが、目撃者もおらず、ル・グリは無実を主張。真実の行方は、カルージュとル・グリによる生死を懸けた「決闘裁判」に委ねられる。

画像2(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.
※本記事は「最後の決闘裁判」の内容に触れている箇所があります。

カマーは「舞台は中世フランスで、ある男性にレイプされたと訴えた若い女性の物語です。突き詰めれば、女性が正当に評価されず、その声が尊重されない時代において、彼女が正義を求めるという物語です」と、役柄へのアプローチについて説明する。

「その時代に女性がどう扱われていたかを理解しよう思い、当時の時代全般に関するリサーチはたくさんしました。それを通じて一つはっきりと分かったことは、女性がレイプされたり、性的暴行を受けたりした場合、その彼女の夫には、彼女が彼に与えた屈辱に対して補償される権利があったという、とても馬鹿げている上に酷い制度になっていたということです。これだけとっても、彼女のように声をあげた場合に、何を相手に戦わざるを得なくなるのか、とても明確に推察ができるというものです」

画像3(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

マルグリットとカルージュの結婚生活は「はっきり言えば、惨めな結婚生活であり、幸せな結婚ではありませんでした」とし、「2人の間に子どもが出来ないという、さらなる重荷があって、その件についても彼女はひどく責められてもいますし、そのうえレイプ事件の後になって彼女が妊娠すると、子どもの父親が誰であるか疑念を囁く者たちが、それがまるで当然のことであるかのように現れて。当時は子どもを妊娠できる唯一の方法は、女性がオーガズムを経験することであると信じられており、そんなのは正気の沙汰ではありませんが、そこからは彼女が自分とル・グリの間に起こったことを実は愉しんだのではないかという議論にまで発展してしまうのです。そういうことすべてに、彼女は裁判において立ち向かわなければなくなりました。答えるのも嫌な、こういう個人的な質問を、裁判で彼女は突き付けられることになるのです」と述べる。

三者の視点で展開する本作では、それぞれの視点に応じて異なる演技をする苦労もあったが、「マルグリットという女性に“声”を与えることが出来て、自分も力と勇気を持てました。歴史を通観していった場合、女性の“声”や視点というものは概して消されてしまうものですから。私たちは女性たちの視点から物事を聞かせてもらう機会になかなか恵まれせんが、私はそういう視点で語る機会を本作で与えられたのです」と胸を張る。

画像4(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

ル・グリ役のドライバーとは撮影の合間に冗談を言って笑い合うこともあったそう。「演じる素材がとても暗いので、テイクの途中に息を抜けるのは嬉しいことでした。見ていただいた方々には、私がどのシーンのことを言っているのかきっと分かってもらえると思うのですが、本作で私が一番誇らしく思っているのは、実はアダムとのそういう難しい内容のシーンでした。2人で話し合って、自分たちがしっくりとくるものは何かを伝えあい、それに乗っていくことで演技がリアルな本物の真実と感じられるようにしました」と話してから、「白状しますが、実は彼の大ファンでもあります。この数カ月は、それは横に置いてクールに振る舞うようにしていました」と告白する。

最後に、観客へ向けて「見ていて辛い部分もあり、居心地が悪くなる時もあるかもしれませんが、だからといってこういうストーリーを物語ることから逃げるべきではないと私は思っています」と、改めて本作の意義を強調した。

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