フランソワ・オゾン監督の初期代表作「焼け石に水」 8月20日から35ミリフィルムでリバイバル上映
2021年8月17日 17:00

フランソワ・オゾン監督の最新作「Summer of 85」の公開(8月20日)を記念し、2021年で日本公開20周年を迎えるオゾン監督の初期代表作「焼け石に水」が、封切り当時の35ミリフィルムでリバイバル上映されることがわかった。東京のBunkamura ル・シネマで、8月20日~26日の期間限定で上映される。
長編デビュー作「ホームドラマ」(1998年のカンヌ国際映画祭の批評家週間に正式出品)と、第2作「クリミナル・ラヴァーズ」(99年のベネチア国際映画祭に正式出品)などで、一躍フランス映画の新世代のトップランナーに躍り出たオゾン監督。32歳で発表した「焼け石に水」は、第50回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、テディ賞(最優秀クィア映画賞)の長編映画部門で大賞に輝いた。

「焼け石に水」は、37歳で急逝したドイツの伝説的な映画・演劇人であるライナー・ベルナー・ファスビンダーが19歳で書いた未発表の戯曲を映画化したもの。オゾン監督はそれまでオリジナル脚本を執筆してきたが、ファスビンダーの原作では、当時カップルの生活を描きたいと考えていたオゾン監督の求めているものが正確に語られていたため、題材に選んだという。70年代のドイツを舞台に、4人の登場人物が織りなす4幕構成の室内劇を紡ぐ。20歳の青年フランツは、街で中年のビジネスマン・レオポルドに声をかけられ、彼の家を訪ねる。レオの不思議な魅力にとらわれ、同棲まで始めるが、そこにふたりの昔の恋人が現れる。
ふたりの人間が一緒に暮らし、日常の荒波にまみれ、次第に変質し失墜していく関係性。より多く愛する者が敗者となるパワーバランス。どこかおかしくも、胸を打つカップルの苦悩――。ドイツのアパートの1室を舞台に、様々なテーマが交錯する。キッチュな衣装や、ミッドセンチュリーのセットデザインにも力を入れた。ベルナール・ジロドー(「ヘカテ」)がレオポルド、マリック・ジディ(「PLAY 25年分のラストシーン」)がフランツ、リュディビーヌ・サニエ(「スイミング・プール」)が3 幕から登場するフランツのガールフレンド・アナ、アンナ・トムソン(「ファストフード・ファストウーマン」)がレオポルドの元恋人・ヴェラを演じた。

同作が日本で公開されたのは、01年7月21日。「ホームドラマ」を買いつけ、日本に紹介したユーロスペースが共同製作し、日本で配給した。映画宣伝としては初めてグラフィックデザイナーの大島依提亜氏を起用。劇中に登場するレトロなカーテンの柄を背景に取りこんだポスターやチラシ、同柄のハンカチ付きのパンフレットも話題となった。
なお現在ポストプロダクション中のオゾン監督の新作で、イザベル・アジャーニ主演の室内劇は、「焼け石に水」制作時に大いに参考にしたというファスビンダーの戯曲と映画「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」(1972)をオゾン流に再映画化したものだという。

「焼け石に水」はBunkamura ル・シネマで8月20日~26日、全日17時20分から上映。料金は1300円で、「Summer of 85」のチケット(半券、特別鑑賞券、QR チケットなど)を提示すると1100円で鑑賞できる。劇場ロビーでは、「Summer of 85」のフランス本国版の大判ポスターや特製スタンディ、「焼け石に水」の日本版ポスターなどをディスプレイする。詳細は、公式サイト(https://www.bunkamura.co.jp/cinema/)に掲載されている。
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