スイミング・プール
劇場公開日 2004年5月15日
解説
新作の筆が振るわないイギリスの人気ミステリー作家、サラは、出版社の社長ジョンの勧めで、彼が所有する南仏の別荘にやってくる。静かな土地と自然に囲まれ、執筆活動を始めるサラだが、そこにジョンの娘と名乗るジュリーが突然現れる。夜な夜な違う男を連れ込むジュリーに当初は辟易したサラだったが、彼女の奔放な魅力に注目し、ジュリーを題材にした物語を書こうとするが……。「8人の女たち」のフランソワ・オゾン監督が、シャーロット・ランプリング、リュディビーヌ・サニエという新旧の人気女優を主演に描くミステリー。
2003年製作/102分/R15+/フランス・イギリス合作
原題:Swimming Pool
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
スタッフ・キャスト
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2022年6月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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最初観終わった時は、よくわからなくて
何度も録画していたラストの方の映像を見直して
思った、私なりの解釈
ジュリーとジュリアは別人
ジュリアはジョンの実在する娘だが
ジュリーは、ミステリ作家サラが
ジュリアを見ながら想像で作り上げた別人格の
実在しないキャラクター
実際はジュリアは、性に開放的な奔放な娘ではなく
彼女にそういう妄想を重ねてジュリーとして見ていた
サラにとっては、「殺人と捜査」が核のミステリ作家と
しての殻を破りたい、読者や出版社から要求される
手堅いミステリではなく自由な発想で作品を書きたい
という欲求の現れがジュリーの言動という形で現れた、
という事ではないかと思う
誰とでも寝るジュリー=読者や出版社の意向に
合わせて創作するサラ
フランクを殺すジュリー=そういう意向という鎖から
解き放たれたいというサラの願望の実現
なので、フランクは現実には存在していないし
殺されていない
殺人は「スイミング・プール」という本の中で起きた
出来事
この映画そのものの内容が「スイミング・プール」
という作家サラ(ジュリーの母=この場合はサラ、の
創作が元というややこしい設定だが)の想像の産物、
と考えると、つじつまが合うと思う
面白い構成の話だと思った
追記:
プールに浮かぶ木の葉やゴミ=好まぬ読者や出版社の
象徴、
何度もサラが十字架を取り外す場面は
がんじがらめの自分を解放させたい欲求の
現れかな、と
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・・・ぶっちゃけた話、スポンサーからくどくど
観客に受ける映画、金になる映画を作れ、と言われて
キレた監督が、裸だしゃあいいんだろと
開き直って、作家の話にかこつけて憂さ晴らし
したような気がしなくもない
2022年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
イギリスのミステリー作家(シャーロット・ランプリング)が主人公、スランプに陥り、フランスにある編集者の別荘に行く。
気持ちよく仕事をしていると、編集者の娘(リュディヴィーヌ・サニエ)がやってくる。
世代が違い、生活スタイルも全く異なる二人は反目し合う。
時間とともに二人は変化していき・・・。
オゾン監督、この二人を使って絶妙なサスペンスを作り上げた。
2022年3月22日
Androidアプリから投稿
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色んな要素が織り込まれていて、シリアスそうに見えつつ、ユーモラスな場面もあり、見せ場もあちこちに作ってある。娯楽映画だとは思うけれど、凝っていて面白い。
全体の構造は、ストーリーが、二重の入れ子式になっていて、その境目はいまひとつハッキリしないようだ。観ているといつの間にかサラの創作である内側のストーリーに引き込まれている。終盤で、またいつの間にか外側に戻ってきている。これはサラのつくり話だよというヒントは与えてくれているようだけれど、いまひとつハッキリとはしない。そのため、色々な解釈が可能になってくると思うけれど、それは楽しめるポイントでもあり、粋だと思う。
サラは、冒頭では、いやな女だとな、こんなふうになりたくないものだ、と感じたけれど、終盤に近づく頃には大好きになってしまった。管理人の男を受け入れる場面では少し驚いたけれど、人間としても女としても優しさを感じさせて、それはそれでなかなかいい。
サラに限らずジュリーなどもそうだけれど、ステレオタイプの人物の登場で終わらせず、人間の中味の面白さや意外さに焦点を当てているところがいい。
2021年9月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
生々しい欲望と屈託のない美しさ、2人の女性が画面に映し出されるだけで、溢れてくるものがあった。
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