「何も知らなかった自分にはもう戻れない。」胸を締め付けられる青春 浅野いにお原作映画「うみべの女の子」予告編
2021年7月12日 11:00
「ソラニン」「おやすみプンプン」の浅野いにお氏による漫画を「イソップの思うツボ」の石川瑠華、「アイスと雨音」の青木柚主演でウエダアツシ監督が実写映画化した「うみべの女の子」の予告編と本ビジュアルが公開された。
「うみべの女の子」は、緻密で叙情的な画風と繊細な心理描写に定評のある浅野作品の中でも、特に「思春期」「恋」「性」といったセンシティブな題材に真正面から挑み、ファンから根強い支持を得る作品。海辺の小さな街で暮らす中学生の小梅。憧れの三崎先輩に振られたショックから、かつて自分のことを好きだと言ってくれた内向的な同級生・磯辺と関係を持ってしまい、徐々に磯辺への思いを募らせていく。その一方、小梅が好きだったはずの磯辺は小梅との関係を断ち切ろうとする。2人の気持ちがすれ違う中、磯辺は過去にイジメを苦に自殺した兄への贖罪から、ある行動に出る。
予告編は、静かに波打つ海辺から小梅や磯辺とその友人らの平穏な学園生活の様子から始まる。その後、愛の告白を嘲笑する先輩に対して、「男なんてみんな死ねばいい」と毒づく小梅、磯辺にブラウスを脱がされる小梅、兄が自殺したことをネットに書き込む磯辺、漆黒の海にたたずむ不気味な男などが映し出される。「world’s end girlfriend」が奏でる旋律なピアノ音と不規則な電子音のノイズをバックに、思春期の不穏で残酷な現実が切り取られた映像だ。本ビジュアルは、「何も知らなかった自分にはもう戻れない。」というコピーと共に、脆さと危うさを抱えた小梅と磯部が、お互いの何かを埋め合わすかのように、手と手を取り合いながら寝そべるシーンが使われている。
「うみべの女の子」は、8月20日から新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開。