「この物語を今語る事が重要」自立した女性が既婚年下男性との愛と官能に溺れる「シンプルな情熱」主演レティシア・ドッシュに聞く
2021年7月2日 17:00
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フランス現代文学を代表する女性作家アニー・エルノーが、自身と既婚年下男性との愛の体験を赤裸々につづったベストセラー小説を映画化した「シンプルな情熱」が公開された。主人公の“主体的に肉体関係だけを求め、男を待つ”という行動に賛否が分かれる問題作だ。大学の講師でシングルマザーの主人公、エレーヌを演じたレティシア・ドッシュが、作品と世界的バレエダンサー、セルゲイ・ポルーニンとの共演を語った。
ダニエル・アービッド監督が私に会いに来てくれたのです。原作も読んでいましたし、この主人公を演じられるなんてとても素晴らしい話だと思ったので、オファーを即決しました。性描写のシーンも多いことから、なかなか適切な女優が見つからなかったという理由もあったそうで、オーディションはなかったです。セックスシーンは原作にはありませんが、原作をよりよく理解できる美しい描写になったと思います。
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アニー・エルノーは、フランスでは大御所中の大御所、伝説的な存在の作家です。それほどの地位を確立した人物ですが、この作品を出版した頃、ものすごく批判されたのです。彼女は常に社会問題を扱うシリアスな作家でした。人種、自分の出自、妊娠中絶の問題などに真摯に向き合った作品を発表する中で、自身の実話である恋愛を書いたので、なんだかテーマが軽いのでは?と批評家たちから過激に叩かれました。しかし、私自身はこういったことこそ語るべきだと信じていました。
とても共感しました。この物語を今語る事がとても重要で、素晴らしいことだと思ったのです。昨今フェミニズムが社会で語られるようになりましたが、では、何について私たち女性が戦っているのか……それを考えさせられます。この映画のエレーヌは、ものすごく強い女性ではありません。自立しているけれど、弱みもあります。いわゆるフェミニストが好まないような、こういったフェミニズムもある、という意味で、今公開されることが重要なのです。
フランスでもこの5年くらいに、ピューリタニズムが広がっています。しかし、既婚者と恋愛をした場合に制裁があるということはフランスではありません。日本でそういったことがあるなら、残念なこと。女性も男性も同じリスクを取っているのに、とりわけ女性だけが理不尽な目に遭うのは、不平等だと思います。もちろん、既婚の人に恋をする、それだけでもつらいことなのに、しかも仕事を失ったりすることがあるなんて、本当にアンフェアだと思います。
私自身も物を書くので、監督の恐怖みたいなものは理解できるし、彼女の世界観は手に取るようにわかる。だから、もし監督が私のアドバイスを必要としたら言うけれど、それ以外は自らしゃしゃり出るようなことはしません。でも、女優としてアクションからカットまでは好きなことをしていいわけですから、その中で私の意見を埋め込んでいるかもしれません。
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ごく普通の男性で、とても自由で愉快な人でした。フランス語が全くできず、セリフは発音で丸暗記しなければならなくてその点が不安そうでした。とてもタッチがやさしくて穏やかな人。おそらく少し人見知りで、小さなころからバレエ漬けだったからか、ちょっと自分を見失っているような感じもしました。だからこそ、今、自分を解放したい、そういった印象を受けました。
今回ヌードのシーンが多かったので、事前にスポーツを多くしましたね。共演する相手が完璧な肉体を持っていますから、もちろんプレッシャーはありました。体のラインや肌がきれいになるので、ホットヨガの教室に通っています。
北野武の作品は素晴らしいです、あとは宮崎駿の作品も好きです。文学では村上春樹をよく読みます。日本の文化は私たちの文化と全然違うのでとても興味があります。日本の文化や風景もっと知りたいし、あとは、生きている人と死んだ人間のつながり、そういったものを理解したいですね。私は「ラジオの木」というタイトルのラジオ番組を持っていて、東日本大震災で津波に負けず、復興のシンボルになった木について話したことがあります。日本の方々は我々よりも、身の回りにある自然のエネルギーと共に生きている気がします。
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