リリー・フランキー×錦戸亮×木村多江×高梨臨　家族の再生を描く日英合作映画「コットンテール」に出演

本作は、愛する人を失い、崩れかけた家族の再生の物語。監督と脚本を担うパトリック・ディキンソンは、早稲田大学への留学経験があり、多くの日本映画を見るなかで、キャストを決めたという。第71回カンヌ国際映画祭のパルムドール賞を受賞した「万引き家族」のフランキーをはじめ、「抱きしめたい　真実の物語」「羊の木」の錦戸、フランキーと共演した「ぐるりのこと。」の木村、アッバス・キアロスタミ監督作「ライク・サムワン・イン・ラブ」で主演を務めた高梨ら、多彩な顔ぶれがそろった。

物語の主人公・健三郎（フランキー）は、妻・明子（木村）を亡くし、その葬式で久し振りに、疎遠になっていた一人息子のトシ（錦戸）とその妻さつき（高梨）、孫エミと顔を合わせる。喪主であるにもかかわらず、酒に酔い、だらしない態度をとる健三郎を、トシは苛立ちながらも気にかける。そして明子の遺言状が開封され、そこには子どもの頃に好きだった「ピーターラビット」発祥の地であり夫婦で行きたいと思っていた、イギリスのウィンダミア湖に散骨してほしいと書かれていた。

健三郎とトシ一家は、明子の願いを叶えるため、英北部の湖水地方へ旅立つ。しかし、旅の途中で健三郎とトシは言い争いになり、健三郎はひとりで湖に向かう。道に迷い、途方に暮れていると、ある農場に住むジョン（ハインズ）とその娘メアリー（バックリー）と出会う。ふたりの優しさに心が安らいだ健三郎は、意を決してトシに連絡し、ずっと言えなかったある秘密を打ち明ける。

タイトルの「コットンテール」とは、作家ビアトリクス・ポターの「ピーターラビットのおはなし」に登場する、ピーターの3匹の妹のうちの1匹の名前。大切な人をなくした家族が、ウィンダミア湖への旅で見つけたものとは――物語に期待が高まる。

「コットンテール（原題）」は、日本とロンドンでの撮影を敢行し、22年に公開予定。ディキンソン監督のコメントは以下の通り。

錦戸亮さんは、演じる役の感情に観客を引き込む事が非常に上手な俳優さんです。「羊の木」での亮さんのお芝居で僕は、どんどん彼の役の感情に引き込まれ、忘れられない映画体験をさせて頂きました。才能豊かな亮さんの演技の幅広さと奥深さを「コットンテール」で皆さんにも体験して頂ける事を嬉しく思っています。

木村多江さんが日本アカデミー賞を受賞された「ぐるりのこと」でのお芝居を拝見して、本当に素晴らしいと感じました。多江さんは偽りのない真の感情を見事に表現していて、僕は何度も泣かされました。多江さんの、この“真に迫るもの”こそが、観客の心の奥深くまで響き、感動を与える理由だと思っています。多江さんと一緒に「コットンテール」という愛の物語で、彼女の才能を映像化できる事が楽しみです。

高梨臨さんのカンヌ国際映画祭に正式招待された「ライク・サムワン・イン・ラブ」でのお芝居は本当に秀逸でした。臨さんは役柄を、希望や恐怖心などを抱え持つ人間味あふれる存在として見事に演じ、私は、彼女に特別な才能を感じました。幸運にも臨さんがキャストに加わって下さった事で、「コットンテール」をご覧になった方々は、きっと彼女の細やかな感情あふれるお芝居で心を動かされる事だろうと思っています。