北村匠海、満席の客入りにニッコリ 矢崎仁司監督は感極まる
2020年11月14日 22:15
前日13日から全国74館で封切られた今作は、直木賞作家・西加奈子氏の小説を映画化したもの。ヒーローのような存在だった長男・一(吉沢)の死によって、崩壊しつつあった家族の“再生”を繊細に描く。北村が次男・薫、小松が妹・美貴を演じ、寺島しのぶと永瀬正敏が両親役として若手を支えた。
満席の場内を見まわした北村は、「ついに間を空けずに座られた皆さんを前に、舞台挨拶に立ててすごく嬉しいです」と破顔一笑。そして小松、吉沢と揃っての舞台挨拶に「顔面が強いなと。濃いなという感じがありました」と明かし、客席の笑いを誘った。
矢崎監督は、「僕は『愛が動機なら、やってはいけないことなんて何ひとつない』という言葉を胸に、ずっと映画を撮り続けてきました。原作には、そこが書かれていた。最後に本を閉じたとき、すごく温かいものがきて……」と感極まる。声を詰まらせながら、「それをみんなに伝えたいと思って作ったんですが、きっと今、皆さんもちょっと温かいものを感じてくれていたら嬉しいです」と言葉を絞り出した。
またこの日は、劇中で愛犬サクラに扮した犬のちえも登壇。撮影中は吉沢に最も懐いていたそうで、吉沢が「覚えてくれているのか分からないな。ちえちゃん!」と呼んだが、満席の客席に緊張気味。それでも、「本当にすごかった。彼女の動きひとつでシーンが変わる。芝居が上手い。みんなで卒業アルバムをのぞくシーンは完璧だった」と称えた。小松も、「動物との撮影は今までになかったので、ちょっと不安な部分があったのですが、それはすぐになくなりました。サクラに助けてもらったし、非常に頼もしかったです」と微笑んでいた。