真利子哲也監督を日本映画専門チャンネルが特集! 未ソフト化の短編群をテレビ初披露
2020年11月1日 12:00

真利子哲也監督が、日本映画専門チャンネルの番組「いま、映画作家たちは 2020-2021」(1月期)で特集されることが決定。テレビ初放送となる「イエローキッド」ディレクターズカット版や、未ソフト化の短編群、著名人たちへのインタビューから“監督・真利子哲也”に迫る特別番組がラインナップされている。
真利子監督は1981年、東京都生まれ。法政大学在学中に8ミリフィルムで制作した短編「極東のマンション」(2003)、「マリコ三十騎」(04)がゆうばり国際ファンタスティック映画祭で2年連続グランプリを受賞。メイキングとして映画やドラマの現場に関わりながら、東京藝術大学大学院に入学。修了作品「イエローキッド」(09)は、毎日映画コンクール新人賞、高崎映画祭、日本映画プロフェッショナル大賞で新人監督賞を獲得する。「ディストラクション・ベイビーズ」(16)は、第69回ロカルノ国際映画祭で最優秀新進監督賞をはじめ、国内外の映画賞で多数の賞を受賞。「宮本から君へ」(19)は、日刊スポーツ映画大賞、ブルーリボン賞、高崎映画祭で最優秀監督賞、第29回日本映画プロフェッショナル大賞で作品賞に輝く。最新作には、「緊急事態宣言」の1編として、コロナ禍の5月に14カ国22カ所の日常をつないだ「MAYDAY」(20)がある。

真利子監督は「私のフィルモグラフィは8ミリフィルムの短編から始まりました。その頃からすでにデジタル作品が盛んになっていて、この20年でも映画を取り巻く環境は常に変化をしてきました。遡って映画の長い歴史には、戦争によって翻弄された時代もありました。それでも映画は人々の中で絶えず生き続けて、衰退と繁栄を繰り返しながら、何かを押し付けるでもなく至って自然に、いまの私たちに脈々とした歴史を繋いできました」と振り返る。「そしてここにきて、それまでの映画そのものを取り巻く環境が一変しました。先行きの見えない混乱の中で撮影自体が行われないばかりか、観客は劇場から遠く離れて、歴史ある映画祭すら中止を余儀なくされ、完成していた巨額の予算の映画すら劇場公開が見送られてオンラインで配信される時代に突入しました」と語っている。
そして「そんなある時にふと、これまで映画館でみた映画と自宅などで鑑賞した映画、どちらが多かったかを考えました」と自問した真利子監督。「私の場合でいえば、物心ついた頃からテレビやビデオで映画を鑑賞していたことを考えると、正直なところ自宅にある画面が多かったように思います」と明かす。

真利子監督「ほとんどの人がそうでしょう? しかしながら、私達が映画を思うときに、劇場の暗闇の中でスクリーンに映し出される映画の興奮や喜びを想起します。そんな匂いたつ記憶があるからこそ、これからどのような状況であっても、まずはスクリーンに映し出される映画への尊敬と憧れを持って撮影に取り組むように思います。そのためにキャストやスタッフはその時々の状況に対応しながら、絶えず挑戦していくことに、これまでと変わらない情熱を傾けるでしょう。それだけはきっとこれまでと変わらないと思います。そして届けられる場所がどのような環境であっても、観てくれた人たちの中で確かに映画として生き続けてくれるだろうと信じています」
「いま、映画作家たちは 2020-2021 真利子哲也の場合」は、日本映画専門チャンネルで2021年1月に放送。なお、同企画の20年12月期には、深田晃司監督が特集される。
「NINIFUNI」
「FUN FAIR」(オムニバス映画「同じ星の下、それぞれの夜」の1編)
「監督・真利子哲也 短編作品集」(「マリコ三十騎」「極東のマンション」「ほぞ」「車のない生活」「ニコラの橋」「宿木」「アブコヤワ」で構成)
「いま、映画作家たちは2020-2021 監督 真利子哲也にまつわるいくつかのこと」
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