今夏のハリウッド大作がゼロに 「TENET テネット」「ムーラン」再び公開延期
2020年6月29日 15:00

[映画.com ニュース] 米ワーナー・ブラザースがクリストファー・ノーラン監督の新作「TENET テネット」の全米公開日を再び延期すると同時に、米ウォルト・ディズニーが実写版「ムーラン」の公開延期に踏み切ったことで、今夏公開されるハリウッド大作がなくなるという前代未聞の事態になった。
「TENET テネット」は、第3次世界大戦の勃発を防ぐという世紀のミッションを課せられた諜報員の奮闘を壮大なスケールで描くタイムサスペンス。主演のジョン・デビッド・ワシントン(「ブラック・クランズマン」)をはじめ、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ、マイケル・ケイン、ケネス・ブラナーら実力派俳優陣をキャストに迎え、ノーラン監督が自ら書き下ろしたオリジナル脚本をもとにメガホンをとった。
ワーナーこのほど、同作の全米公開を当初予定していた7月17日から同31日に後ろ倒したばかりだが、今回さらに約2週間遅れとなる8月12日に延期すると発表した。同社は広報担当を通じ、「我が社は『TENET テネット』を、観客の皆さまにぜひ映画館の大スクリーンで堪能していただきたいという思いから、興行主側の準備が整い、公衆衛生当局がゴーサインを出すまで公開を待つ所存です」と、同作の公開延期を決めた理由を説明。「慣例にとらわれない柔軟な対応が求められる現在、本作に関しても従来の週末ではなく週の半ばに封切ることで、より多くの観客に鑑賞の機会を提供するとともに、通常よりはるかに長い期間にわたって公開を続ける予定です」と戦略を明かした。
一方でディズニーは、7月24日から全米公開予定だった実写リメイク版「ムーラン」を、8月21日へと約1カ月間後ろ倒した。同作は、愛する父の身代わりとなり、兵士として国の運命をかけた戦いに身を投じるヒロインの物語を、ニュージーランド出身の女性監督ニキ・カーロ(「クジラの島の少女」)のメガホンで壮大に描いた。キャストには、ムーラン役のリウ・イーウェイ(「ザ・レジェンド」)をはじめ、「ハンニバル・ライジング」のコン・リー、「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」のドニー・イェン、「エクスペンダブルズ」シリーズのジェット・リーら、ハリウッドでも活躍する国際派俳優陣が顔をそろえる。
ディズニーのアラン・ホーン会長は、声明で「(新型コロナウイルスの)パンデミックによって公開延期を余儀なくされたとはいえ、この映画が持つ力とそこに込められた希望のメッセージに変わりはありません」と力強く断言。「カルロ監督と豪華キャストが作り上げた、美しく壮大かつ感動的な本作は、大スクリーンで見るに相応しい作品。世界中のあらゆる観客が楽しめる、素晴らしい映画体験をお約束します」と、ワーナーと同様に、あくまでも劇場公開にこだわる姿勢をみせた。
米バラエティは、「TENET テネット」が公開延期となった背景に、米ニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事が、映画館の営業再開を当面見送る方針を示したことを挙げ、ロサンゼルスとニューヨークという米国内の2大映画市場が本格的に再始動しない限り、推定2億ドル(約214億円)といわれる莫大な製作費を回収できないとワーナーが判断したのではと分析している。
また、「ムーラン」に関しては、題材とキャストから中華圏でのヒットをあてにしていたディズニーが、中国本土の映画館がいまだ再開の目処が立たずにいる現状を鑑み、時期尚早との判断を下したものとみている。
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