米独立系配給会社、インディペンデントの劇場に自社作品200本を無料提供
2020年5月1日 13:00
[映画.com ニュース] アメリカでは新型コロナウイルスの影響で劇場が休業を続けてきたが、エリアによっては再開に向けた動きも見受けられるようになってきた。そんななか米独立系配給会社のIFCは、営業を再開する映画館に対して「6才のボクが、大人になるまで。」を含む自社作品200作品を無料で提供すると発表した。
アメリカでは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、3月下旬からほぼすべての映画館が閉鎖している。だが、4月27日から米ジョージア州が映画館の営業許可を出すなど、各地で営業再開の動きがある。その一方、専門家のあいだでは時期尚早だという声が大半で、配給会社も新作の公開を軒並み延期している。つまり、映画館が再開したとしても、上映する新作映画がないのだ。
そんななか、IFCは「The Indie Theater Rivival Project」と題したプロジェクトを発表。営業を再開したインディペンデント系劇場に対し、自社作品を1カ月間無料で貸し出すという。この発表に際し、同社は声明で「アメリカ中のインディペンデント系劇場は、IFCフィルムにとって欠かせないパートナーであり、彼らの支援なしにいまのIFCはありません」「我々は第一歩を踏み出し、新作映画が公開される通常の状態が戻るまでのあいだ過去の作品を提供することで、興行のみなさんが玄関を再び開放するお手伝いをしたいと思います」と、理由を説明している。
なお、米シネコンチェーンで3位のシェアを誇るシネマークのマーク・ゾラディ最高経営責任者は、6月から営業を再開し、7月中に通常の状態に戻したいと意見を述べている。現時点では、7月17日の全米公開を予定しているクリストファー・ノーラン監督の最新作「TENET テネット」が最初のハリウッド大作となり、その後、「ムーラン」「ワンダーウーマン 1984」が控えている。
ちなみに、今年で20周年を迎えるIFCが提供を約束しているのは、ノーラン監督のデビュー作「フォロウィング」やアルフォンソ・キュアロン監督の「天国の口、終りの楽園。」、カルト映画の「ムカデ人間」など200本あまりだという。