「転校生」「時をかける少女」大林宣彦監督が死去、82歳 新作公開予定日に旅立つ
2020年4月11日 07:42
[映画.com ニュース] 大林宣彦監督が、4月10日午後7時23分、肺がんのために東京・世田谷の自宅で死去したことがわかった。82歳だった。
「映像の魔術師」と称された名監督が、旅立った。大林監督は2016年にステージ4の肺がんで余命3カ月の宣告を受けたが、その後も映画製作への意欲を失うことはなかった。“がんと仲良くする”という前向きなスタンスで治療を続け、反戦へのメッセージを込めた作品を世に送り出した。他界した4月10日は奇しくも最新作「海辺の映画館 キネマの玉手箱」の公開予定日だった。同作は新型コロナウイルスの影響により、公開延期となっていた。
CMディレクターから映画の世界へ入った大林監督は、故郷の広島・尾道を舞台にした「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の“尾道三部作”があまりにも有名。薬師丸ひろ子、原田知世、富田靖子らのみずみずしい表情を切り取り、一躍スターダムへと押し上げたことでも知られている。04年に紫綬褒章、09年に旭日小綬章を受章、19年に文化功労者に選ばれている。
葬儀・告別式は、家族葬(密葬)を執り行い、後日、お別れの会を予定している。喪主は、妻で映画プロデューサーの大林恭子氏が務める。