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「前田建設ファンタジー営業部」高杉真宙&岸井ゆきの 仕事論めぐり白熱トーク!

2020年1月30日 14:00

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インタビューに応じた高杉真宙&岸井ゆきの
インタビューに応じた高杉真宙&岸井ゆきの

[映画.com ニュース] 実在の企業「前田建設工業」の人気ウェブコンテンツを題材にした映画「前田建設ファンタジー営業部」が、1月31日から公開となる。アニメやゲームの世界に存在する空想上の構造物や建造物の工期・工費を計算するという前代未聞のプロジェクトに挑む会社員を演じるのは、話題作への絶えない若手実力派の高杉真宙岸井ゆきの。脚本を手掛けた「ヨーロッパ企画」代表の上田誠やメガホンをとった英勉監督との映画づくり、そして“お仕事ドラマ”である本作にちなみ、2人の仕事論についても話を聞いた。(取材・文/編集部、写真/堀弥生)

高度経済成長期に、ダム、トンネル、発電所など数々の大プロジェクトに携わってきた前田建設工業。ある日、上司アサガワ(小木博明)が“ファンタジー世界からの受注”という奇想天外な企画を発案し、「うちの技術で、マジンガーの格納庫を作ろう!」と言い放つ。「マジンガーZ」が格納されている光子力研究所の所長・弓教授から「地下格納庫兼プールを、現状の技術および材料で建設するとしたらどうなるのか?」と発注を受けた――という体裁で、ウェブ連載を始めようというのだ。社内の理解は得られず、アニメ世界の途方もない設定や、曖昧で辻褄の合わない描写に振り回される部員たち。やがて若手社員・ドイ(高杉)やエモト(岸井)らは、ファンの作品愛や技術者たちの情熱を知り、“意味のないこと”だと思っていた業務に本気で取り組んでいく。

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――SF的な世界観と日常的な群像劇が絡み合い、すさまじいエネルギーで物語が展開されていきます。上田さんが手掛けた脚本や、英監督の演出はいかがでしたか?

高杉「熱量が伝わってくる脚本で、建設のことを何も知らない自分でも楽しく読めました。脚本の時点でイメージできないことがたくさんあるのに、『映像になったらどんな風に広がって、画になって見えてくるのかな』って、楽しみで仕方なかったですね。大抵のものは(自分の中で)色で例えられるんですけど、この作品はいろんな色が混ざってひとつのものになっている感じがして、面白かったです」

岸井「他のキャストの皆さんとの本読みの段階で、既に(自分が想像していたものよりも)上を行っていて。『現場ではどうなっちゃうんだろう』とワクワクしていました。面白い脚本に、皆さんの演技やテンションが加味されて、飛び出す絵本みたいになっていましたね。立体的でした」

高杉「英監督の演出で印象的だったのは、オープニングですね。CG満載のアニメ風になっているキャラクター紹介で、『火が出てくるんですか? レーザービーム? 何ですかそれ?』みたいな(笑)」

岸井「英監督に『好きに投げてもらえれば(投げる動作をしてもらえれば)、後でCGで足すことができるから』って言われて、『どういうことなんだろう?』って」

高杉&岸井:爆笑

高杉「真剣なんですけど、遊び心が素敵ですね。そういう発想になっていくのがすごい」

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――プロジェクトを通して仕事に熱意が芽生えていくという役どころ。おふたりが仕事にやりがいを感じる瞬間や、予想外の役や作品に挑む際の思いを教えてください。

高杉「やりがいを感じるのは、役を作っている時ですね。脚本を読んで、『こういうことかな』って一歩ずつ、自分なりにパズルをはめていく作業が好きなんです。ゆっくり時間をかけてその作業ができると、たぶんもっと大きなパズルになって、また違うものが見えてくるのかもしれないです」

岸井「私は、脚本を読んでいる時。(演技の動きなどを指示する)『ト書き』が好きなんです。予想外の仕事が来たときは、とにかく一生懸命やるしかない(笑)。逃げ腰でやるのは絶対に嫌なので、『これだけ準備して、こうなりました』というところまで頑張ります。そこまではひとりの作業なので、辛かったり怖かったりするんですが、一生懸命やった後は監督や演出家、その時頼れる人に頼ります。『ちょっと分からないな』という時は、いろいろ考えて、準備していきます」

高杉「すごく分かります。できる限りのことをやった上で、周囲からは『違う』『違ったけど良い』『全く同じ』って、いろいろな反応があるんですよ。それが面白い部分でもあるので、びびりながら、何とかやっています」

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――ドイとエモトはファンタジー営業部への配属がそれぞれの転機となったかと思います。キャリアの中で転機となった出来事があれば、教えて頂けますでしょうか。

高杉「僕は映画『ぼんとリンちゃん』。お芝居や役づくりの楽しさを教えてもらったんですよね。スカウトでこの業界に入ったので、もともと将来の夢として俳優を思い描いていたわけではなかったんですが、その作品で『演技が楽しいな』と思って、今に至っていますね」

岸井「私は劇団『ベッド&メイキングス』立ち上げの時にオーディションを受けて出演した、第1回公演の『墓場、女子高生』ですね。言葉とリズムの楽しさや尊さを知りました。普通の会話の中にリズムがあるセリフが多くて、『こんなに言葉数とリズムで感じ方が変わるんだ』と。脚本の読み方もちょっと変わって。すごく見るもの、感じるものが豊かになったなと思います」

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最後に「前田建設ファンタジー営業部に仕事を発注できるとしたら、どんなものを発注する?」という、本作にぴったりの質問を投げかけてみた。

アニメトークでひとしきり盛り上がった後、高杉が出した答えは「『新世紀エヴァンゲリオン』のNERV基地」。岸井はインタビュー後の撮影中も頭を悩ませ、「『ドラえもん』のもしもボックス!」と元気よく答えてくれた。子どもから大人まで、1度はふくらませたことのある「アニメやゲームに出てくる建物が本当にあったらいいな」という妄想。「前田建設ファンタジー営業部」では、そんな作品愛と仕事への情熱がリンクし、営業部の面々と社内外で彼らを支えた熱き技術者たちが胸を高鳴らせながら仕事に全力投球する“社会人の青春”、その先に待つ小さな奇跡を描いている。

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