若きトップカメラマン・今村圭佑「燕 Yan」で長編監督デビュー! 水間ロン、山中崇らが出演
2020年1月10日 07:00
[映画.com ニュース] 数多くの話題作に参加したカメラマン・今村圭佑の映画長編監督デビュー作「燕 Yan」が、6月5日から全国公開されることが決定。あわせて、主演の水間ロン、共演の山中崇の姿をとらえたティザービジュアルもお披露目された。
今村監督は「星ガ丘ワンダーランド」「帝一の國」「ユリゴコロ」「おじいちゃん、死んじゃったって。」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」「ホットギミック ガールミーツボーイ」「新聞記者」「サヨナラまでの30分」などで撮影監督を務め、現在31歳ながらトップカメラマンとして活躍。撮影を手掛けた米津玄師のMV「Lemon」は、再生回数5億回を突破し話題となっている。
28歳の早川燕は埼玉に暮らしている父から、台湾の高雄に住む燕の兄・龍心に、ある書類を届けてほしいと頼まれる。燕を中国語で「イエンイエン(燕燕)」と呼んだ台湾出身の母は、彼が5歳の時、兄だけを連れていなくなってしまった。母はどんな思いで自分を捨てたのか? なぜ手紙すらくれなかったのか? 20年以上の月日が流れ、燕はさまざまな思いを抱えて台湾へと旅立つ。
中国・大連出身の水間は、母に捨てられた複雑な思いを20年以上抱える燕役に挑戦。劇中では、作品に彩りを添える流暢な中国語も披露している。「『白鳥はかなしからずや空の青 海のあをにも染まずただよふ』。これは元々セリフとしてあった若山牧水の歌です。純粋なものほど何にも染まれず孤独で、主人公・燕もずっと漂っています。誰しもがそんな燕に共感できると思います」と話す水間。「 燕という鳥は夏に日本に来て、冬に暖かい地方に飛んでいきます。この映画では台湾の高雄として描いています。僕自身も日本と中国、2つの家があり、そこに壁も境界線もありません。そういった思いでこの映画を見て頂けると幸いです」と語っている。
弟との再会に戸惑いつつも、自らの生き方を貫き、強い意志と優しさを持ち合わせた兄・龍心役の山中は「翼が折れてしまった男。翼を休めている男。翼を探している男。いつの頃からか上手く飛ぶことを忘れてしまった、そんな男たちの物語。想いは海をこえて」とコメント。また、兄弟の母・林淑恵役を一青窈、龍心と共同生活をするトニー役をテイ龍進、燕の継母・早川里美役を長野里美、兄弟の父親・早川修一役を平田満が演じている。
今村監督は「たくさんの作品を撮影監督として撮らせてもらってきましたが、このような形で映画づくりができるとは思いもよりませんでした」としみじみ。「この映画は大半を台湾の高雄というところで撮りました。撮影現場で台湾と日本の両キャストスタッフが言葉も通じない中で一緒になって作品作りをしていく姿にこの映画の一端を見ました。少しでも感じていただけたらいいなと思います」と思いの丈を述べている。
「燕 Yan」は、第19回高雄映画祭「TRANS-BORDER TAIWAN部門」に正式出品された。6月5日から東京・新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開。
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