瀬々敬久監督「ヘヴンズ ストーリー」 12月14日から最後の35ミリフィルム上映
2019年11月28日 17:00

[映画.com ニュース]瀬々敬久監督が、全9章4時間38分の長尺で描き、第61回べルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞&NETPAC賞をダブル受賞した群像劇「ヘヴンズ ストーリー」。2011年から毎年恒例のアンコール上映が、今年は12月14日から新宿・K's cinema行われる。経年の上映による傷や色味の変化から、35ミリフィルムでの上映は今年が最後となる。
家族を惨殺された8歳の少女サトにとって、妻子を殺した犯人を「この手で殺す」と宣言するトモキはずっと英雄だった。そして事件から8年後、サトはトモキに会いにある島へ向かう。少女時代のサトを寉岡萌希、トモキを長谷川朝晴が演じ、村上淳、吹越満、嶋田久作、光石研、津田寛治、佐藤浩市、柄本明ら個性派俳優が脇を固める。
「ヘヴンズ ストーリー」は、新宿K's cinemaで12月14日~20日、連日午後4時30分から上映。
一年半の撮影と半年の仕上げで完成させ、公開の翌年には東日本大震災が起こった。世界の脆弱さを思い知らされたし、今もその延長線上で生きている気がする。そうこう上映を続けているうちに平成が終わって令和、来年は復興五輪だという。
数えてみると今年で10年目の上映となる。いつのまにか、50歳代の最後の年齢になった。
それだけ一つの作品に関わり続けることの幸せが上映空間にはあった。それは、キャスト、スタッフ、上映に関わってくれた人たち、そして何回となくあるいは何年に一度と思い出したように見続けてくれたお客さんたち、すべての人たちのおかげだと思う。
映画の方もそれなりに年をとって、35ミリフィルムに積もってきた傷や経年による色味の変化を見てもそれは感じられる。
でも、変わらないものが映っているから、ここまで続けられたんじゃないかと思っている。
それってなんだろうか。
それを探りたいとまだまだ思ってる。
そう、「ヘヴンズ ストーリー」という映画の上映が終わるわけでは決してないのです。
年、とったなあ。
とか言いながら、まだまだまだ。これから。
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