高坂希太郎監督「若おかみは小学生!」で発揮した“宮崎駿イズム”とは
2019年10月30日 13:00

[映画.com ニュース] 「千と千尋の神隠し」「風立ちぬ」などの作画監督としても知られる高坂希太郎監督が人気児童文学シリーズを劇場アニメ化した「若おかみは小学生!」が10月29日、第32回東京国際映画祭の「ジャパニーズ・アニメーション THE EVOLUTION OF JAPANESE ANIMATION/VFX」部門で上映された。高坂監督は、TOHOシネマズ六本木ヒルズでのトークイベントに出席した。
累計発行部数300万部を記録する児童文学シリーズをアニメ化した本作は、両親を交通事故で亡くした小学6年生の少女おっこが、祖母の温泉旅館「春の屋」の若おかみとなり、不思議な仲間に助けられながら成長していく姿を描いた。
司会の氷川竜介氏(東京国際映画祭プログラミング・アドバイザー/明治大学大学院特任教授)に「本作はものすごく細かく作りこんでおり、ある種、裏設定みたいなものがチラチラと見えています。そういったものはどのように作られたのでしょうか」と問われた高坂監督は、「穴を埋めていくように。この温泉街はどういう経営のもとに成り立っているのか、個々の旅館と大きな秋好旅館の関係性といったことを、ざっくり頭のなかに入れながら作りました。主人公たちが生きていく環境をしっかり描かないと、主人公がどう成長していくのかを描けないので、細かく設定しました」と舞台設定のこだわりを説明する。
さらに「今回は90分厳守というしばりがあったので、キャラクターを表現するうえで、セリフもかなり限られていました。それ以外で物語を説明するとなると、やはり舞台設定がものすごく大きくなる」と続ける高坂監督。氷川氏が「そういった方向性というのは、高畑勲監督、宮崎駿監督、スタジオジブリの方々の発想があるのでは」と切り込むと、「そうなんでしょうね。宮崎さんは『ストーリーはどうでもいい』とおっしゃいますけども、環境設定、舞台設定みたいなものは作りこんでいる。それらを作りこむことによって、自然とキャラクターが動き出すみたいなことをおっしゃっていました。そういった点は、やはり大きく影響しているのでしょうね」と深く頷く。
また質疑応答の場面でも「メガネの映り込みなど、細かい部分に気を使っていると感じました。作画のこだわりを教えてください」という質問があがると、高坂監督は「メガネの処理は以前『風立ちぬ』という作品に参加した時に、主人公のメガネに行った処理と同じような描き方をしています」「二次元ではあるけれど、人としての存在感が強調できないかなと思い、こだわったところです」と宮崎監督作品との共通点を明かしていた。
第32回東京国際映画祭は、11月5日まで開催。
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