キューブリックとなぜコンタクトできたのか? 矢追純一、奇跡のインタビューを述懐
2019年10月25日 14:00

[映画.com ニュース] 没後20年を迎えたスタンリー・キューブリック監督の実像を明かすドキュメンタリー「キューブリックに魅せられた男」の試写会が10月24日、都内で行われ、テレビディレクターの矢追純一氏と、映画研究者の内山一樹氏がトークを繰り広げた。
「キューブリックに魅せられた男」は、「バリー・リンドン」の出演をきっかけに、キューブリック監督に絶対的な忠誠を誓った若き俳優レオン・ビタリにスポットを当てた内容。個人的なアシスタントとなったビタリが過ごすことになったのは、無限ともいえるキューブリック監督の雑事を“24時間365日体制”でこなすハードな日々。その光景を、多彩な映画人たちの証言とともに映し出す。
ひと足早く作品を鑑賞した矢追氏は、「なかなかの力作ですね。あそこまでキューブリックに執着するとは……感心しました」と絶賛。51年前、テアトル東京のシネラマで「2001年宇宙の旅」を鑑賞して以来、キューブリックファンの道を突き進んできた内山氏は「(ビタリに与えられる仕事量は)ブラック企業顔負けのもの(笑)。自ら進んでやっているんですけど、キューブリックのような人に心酔してしまうのは大変」と舌を巻いていた。
1980年、キューブリック監督にアポなしで電話インタビューを試みていた矢追氏。「木曜スペシャル」の取材のため、ロンドンを訪れた矢追氏は「キューブリックが珍しくスタジオにいると聞いて『じゃあ、電話するか』と。電話でのインタビューの後、『今日は忙しくて会えない。(娘の)ビビアンにスタジオを案内させる』と言われて、色んなところを回ったんです。見学中には、キューブリックとすれ違ったんですよ。青い綿のシャツとブルゾンを着ていましたね。とても愛想がいい人という印象でした」と述懐。ビビアンとともに訪れたスタジオでは、「『2001年宇宙の旅』のスタジオは意外と小さい。衣装、小道具が全て手作りだったことに驚いた。まさに“家内工業”。この仕組みであんなファンタスティックな映像が撮れるとは」と語っていた。
内山氏は「矢追さんが向かわれたエルストリー・スタジオでは、ちょうど『シャイニング』を撮っていた頃。“本拠地”みたいなものになっていたんですよ」「キューブリックは、ハリウッドの効率的なスタジオではなく、イギリスの“家内工業”的なスタジオが好きだったはずです」と説明。そして「『シャイニング』は、80年の5月にアメリカで公開されました。矢追さんがYouTubeにアップされていた当時の映像を見ると、カメラマンが“12月”と言っている。同作の日本公開が直近だったため、歓迎を受けたのではないか」と推測していた。
「キューブリックに魅せられた男」は、「キューブリックに愛された男」とのカップリング上映方式で、11月1日から東京・ヒューマントラスト有楽町ほか全国順次公開。
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