「クロール 凶暴領域」ワニがリアルな理由は? プロデューサーが明かす舞台裏
2019年10月9日 18:00

[映画.com ニュース] ワニの巣窟と化した家に閉じ込められた父娘の運命を描く「クロール 凶暴領域」が、10月11日から全国公開される。劇中のワニが登場するシーンについて、プロデューサーを務めるサム・ライミ、クレイグ・フローレスが舞台裏を明かした。
本作は、水陸で人間に襲い掛かるワニと、巨大ハリケーンという最恐最悪の組合せによって生み出された極限状態でのサバイバルを描く。「ピラニア3D」「ルイの9番目の人生」のアレクサンドル・アジャが監督を務め、「メイズ・ランナー」シリーズや「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」のカヤ・スコデラーリオ、「プライベート・ライアン」などで知られるバリー・ペッパーらが出演している。
ワニの登場シーンはCGと模型を使って撮影されたが、ライミによると、よりリアルに見せるためにある工夫がされた。
「演じる側が本当に怖がっている様子を見せることによって、ワニもよりリアルに見えてくるから、その部分は演出で重点をおいたんだ。よくあるような、棒の先にテニスボールを付けたものでここだよ、と目線をやるだけでは、感情移入や没入、想像することが難しくなってくるから、グリーンスクリーンの代わりに緑色の全身タイツを着たスタントマンに実際クネクネ這ってもらったり、部分的な模型を使ったんだ。ワニという生き物がどれぐらい巨大で、どれぐらい怖いのかという全体像をビジュアル的に強調するため、頭だけでなく全身を見せて怖さを引き立てる工夫をしたんだよ」(ライミ)

メガホンをとったアジャ監督ならではの演出が光るシーンも見どころのひとつとなる。フローレスが「お気に入り」だというある場面について、興奮しながら語ってくれた。
「ヘイリー(スコデラーリオ)がワニの巣と卵を見つけるシーンは、カメラの撮り方から照明、演出、特殊効果も全ての要素がドンピシャで素晴らしいんだ。プロダクションデザインやセット、そしてもちろんカヤの素晴らしい演技力も。やっと逃げ道を見つけたと思って足を踏み入れると、卵を見つけてしまい、まさかの新しい危険があった。彼女はそこからワニが行ったり来たりしている大きな排水管を泳いで、さらに別の場所に逃げなきゃいけないんだ。こういうタイプの映画が好きな人にとっては、怖い思いと同時に、ちょっと笑える要素も重要になってくる。このバランスがとても大事だし、怖いけれど楽しい場面で気に入っているんだ」(フローレス)
フローレスが絶賛するアジャ監督のことを、自身も「死霊のはらわた(1981)」「スパイダーマン」などで監督を務めてきたライミは、スタジオ側との橋渡しとなってサポートをしていたそう。「監督としての自分の経験からは、こういった演出もできるとさりげなく言うぐらいしかしていないよ。めったになかったけれど、アジャ監督から質問があった時には喜んで答えたし、とにかく彼に自信を与えるというのが僕の一番の使命だと思っていた。自分のやりたいように撮れと言って聞かせ、背中を押す。彼はハリウッド映画を何本か撮っているけれど、大作は撮った経験値が少ないから、不慣れな部分をカバーしないといけない。なので、スタジオ側には万が一何か問題が起こったら僕が解決する、僕が守ると伝えていた。彼には、何かあったら僕がついているから好きなようにやれと」と明かす。
さらに、「アジャ監督が僕のアドバイスや過去作からいろいろ学んでくれたのはとてもうれしいけれど、彼から学んだことも多いんだ。彼は素晴らしい独自のビジョンを持っているし、これからどんどんそういった部分を伸ばしてほしい。応援しているよ」と、本作を機にさらなる活躍を願っていた。
「クロール 凶暴領域」は10月11日から全国公開。PG12。
(C)2019 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.
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