YOSHI 映画は好きですけれど、こういった日本の(インディペンデント)作品は興味がなくて。たっちゃん(大森監督)の映画も「セトウツミ」の予告編くらいしか知らなかった。だから、こうやって出会えて、すごく面白いなと思いました。この映画は、たっちゃんズ、スペシャル。撮影現場はもう最高でした。毎日「ぶりぶりちんちん!」とか下ネタが飛び交う、下品な現場(笑)。(菅田)将暉のことも名前しか知らなかったけど、現場に入る前に、一度飯に行って、そのときに仲良くなって「将暉、よろしくね」って。そして衣装のフィッティングのときに彼の家に泊まったりもしました。自分だけでタロウになれるのではなくて、やっぱりスタッフの力が合わさっての「タロウのバカ」。自分でもタロウだったけど、みんなが作ってくれたタロウだと思う。愛のある現場でした。
YOSHI 俺は、プロとプロじゃないとか、どうでもいいと思ってる。それは第三者が決めることだし。この前、「みんな人間の原点を忘れてる」ってたっちゃんが言ってたけど、今は、その行方を完全に見失っている社会になってると思う。俺たちみたいな人間が、型に押し付けられてるのがつまらなくて。この映画は、欲がすごいんです。欲するがままに突き進んでいく。なんか、人間って、そういうレトロな心を持っていたほうが面白いと思う。この映画を通してそういう気持ちをフラッシュバックさせたいし、俺みたいな奴が変えていかないと。
--レトロな心を具体的に言うと?
YOSHI 欲だったら、男のロマンと言われたものが、今はないと思うんです。例えば、カッコいい時計が欲しい、家が欲しい、スポーツカーが欲しいとか。俺はそういうの、超好き。今の子達って、生きてる目的や憧れがないんだと思う。あと、とにかく経済のギアが動いてない。俺にとっては、目的が無くなった時点で死んでるのと同然です。みんな単純に人生を楽しんで欲しいし、この映画を見て、それに気づいて欲しい。
YOSHI 俺が今後やりたいのは、日本と海外の距離を近づけるグローバルなこと。日本の映画界がハリウッドのレベルに達したらすごいと思うし、そういうことを、俺はやりたい。マイケル・ジャクソン、カート・コバーン、デビッド・ボウイやジミ・ヘンドリックスとか、俺は日本人として、そのレベルまで行きたい。俺はカルチャーが本当に好きで。今の俺の世代の人たちは、追い求めることをあまりしないのかな。情報がたくさんあるからか、すべての物事が軽い。たくさんの物事を見て、俊敏に扱うことも大切だけど、それをある程度掘り下げないと。