キューブリックの異常なこだわりを明かす運転手&助手の証言 ドキュメンタリー2作の予告完成
2019年8月19日 12:00
[映画.com ニュース] 没後20年を迎えたスタンリー・キューブリック監督を、異なるアプローチでとらえたドキュメンタリー映画「キューブリックに愛された男」「キューブリックに魅せられた男」の第1弾予告編が、このほどお披露目された。同予告編のナレーションは、「2001年宇宙の旅」の最新日本語吹き替え版の「HAL9000」のほか、ビゴ・モーテンセン、コリン・ファースの吹き替えで知られる木下浩之が担当している。
1999年に亡くなったキューブリック監督。没後20年という“メモリアル・イヤー”となった今年は、4月にロンドンで大規模な「キューブリック展」が開催され、5月のカンヌ国際映画祭では、4K版の「シャイニング」(監修:アルフォンソ・キュアロン監督)の上映が大きな話題に。そして、11月には「シャイニング」の続編「ドクター・スリープ」が世界公開を控えている。
第10回ローマ国際映画祭で上映された「キューブリックに愛された男」は、キューブリック監督の専属ドライバーであったエミリオ・ダレッサンドロの目を通して紡がれたもの。奇妙な出会いや神経質なキューブリック監督の生活様式、動物に囲まれた穏やかな日常など、これまで描かれなかった巨匠の“普段の姿”が、2人の厚い友情とともに浮かび上がる。
第70回カンヌ国際映画祭のクラシック部門公式セレクション作品に選出された「キューブリックに魅せられた男」は、「バリー・リンドン」の出演をきっかけに、キューブリック監督に絶対的な忠誠を誓った若き俳優レオン・ビターリにスポットを当てた内容だ。個人的なアシスタントとなったビターリが過ごすことになったのは、無限ともいえるキューブリック監督の雑事を“24時間365日体制”でこなすハードな日々。その光景を、ライアン・オニール、R・リー・アーメイ、マシュー・モディーンといった多彩な映画人たちの証言とともに映し出す。
予告編では、キューブリックと親密な関係を築き上げた運転手のダレッサンドロ、まるで“分身”のような存在となったビターリが語ったエピソードの一部を使用している。さまざまな“指示”が書かれた大量のメモの存在を明かすダレッサンドロに対して、ビターリは「上映フィルムは1コマずつ調べろ!」というキューブリック監督の言葉を紹介しつつ、「私は彼に仕え、彼は“映画”に仕えた」と発言。30年もの間、キューブリック監督を支え続けた2人の証言によって、“天才”の異常なまでのこだわりが浮き彫りになっていく。
「キューブリックに愛された男」「キューブリックに魅せられた男」は、11月1日からカップリング上映方式で、東京・ヒューマントラスト有楽町ほか全国順次公開。
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