「ピンク・フラミンゴ」ジョン・ウォーターズにロカルノ栄誉賞「卑猥な世界は美しい!」
2019年8月19日 15:00
[映画.com ニュース]初長編「Mondo Trasho」から今年50周年を迎え、自身のキャリアをユーモアたっぷりに振り返ったエッセイ「Mr. Know-It-All: The Tarnished Wisdom of a Filth Elder」を出版した、キング・オブ・トラッシュ・ムービーことジョン・ウォーターズが、第72回ロカルノ映画祭で、メインスポンサーであるマノールの名を冠したマノール栄誉賞を授与された。
ウォーターズは現地時間の8月16日、8000人を収容する野外劇場ピアッツァ・グランデのセレモニーに登壇。今年就任した映画祭の新ディレクター、リリ・アンスタンが、「ウォーターズ監督はロカルノのスピリットにとても近い人です。インディペンデントできわめて自由、そして大胆でファニーだからです」と紹介すると、会場には大きな拍手が沸き起こった。
ロカルノのマスコットである豹の形のトロフィーを授与されたウォーターズは、「素晴らしい気分です。まるで世界を旅する、車のないベスト・ドライビング・ムービーのようだ」と、彼特有のジョークを飛ばし、さらに「わたしはポリティカリー・コレクトなことをやっていると思っています。というのも、わたしが描くキャラクターは社会が彼らに向かって行使することを誇張し、それを彼らなりのスタイルに変え、そして最後には勝利するからです。勇気を持って、観る人を居心地のよいゾーンから連れだし、驚かせたい。卑猥な世界は美しいと伝えたい!」と語り、会場は拍手と笑いに包まれた。
ロカルノでは彼の受賞を記念して、「ピンク・フラミンゴ」「フィメール・トラブル」「ポリエステル」「シリアル・ママ」「セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ」「A Dirty Shame」が上映された。なかでも映画史上初のオドラマ・システムを導入した「ポリエステル」は、オリジナルの上映方法にのっとり、「匂いつきカード」が配布され、観客は映画に出てくる指示に従い、カードをこすって匂いを嗅ぎながらの鑑賞となった。この記念すべき上映に、会場は老若男女の観客でほぼ満席となった。
現地滞在中に各国のマスコミ取材にも応じた彼は、2004年の「A Dirty Shame」以来、映画を制作していないことに関して、ハリウッドでいくつかの企画が宙に浮いたままであることを明かした。またNetflixやAmazonプライムなどの配信サービスに関して、「劇場リリースされないことは、とくに気にかけない。みんなが断ったら僕の出番だ(笑)。最近では、新「ツインピークス」のようなドラマもとても面白かった」と語り、意欲をのぞかせた。
さらにトランプ大統領に関して尋ねられると、「まるでジェフ・クーンズからインテリジェンスとアートの知識を取り去ったようなもの。ジェフ・クーンズはグッド・バッドテイストで大好きだが、トランプはバッド・バッドテイスト。もちろんトランプに関することすべてに僕はアンチを唱える」と答えた。
今年73歳を迎えたウォーターズだが、そのショーマンシップと毒のあるユーモア、バイリティは健在。今のような時代だからこそ、その新作が待たれるところだ。(佐藤久理子)
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
ショウタイムセブン
【阿部寛がヤバすぎる】異常な主人公 VS イカれた爆弾テロ犯…衝撃のラスト6分、狂気の向こう側へ
提供:アスミック・エース
芸能生活50年で“初”体験!
【無料】映画の面白さが何倍にもなる特別番組…貴重な瞬間を見逃すな!(提供:BS10 スターチャンネル)
「アベンジャーズ」と関係するかもしれない“大事件”
【物語のカギは“日本”!?】このマーベル最新作は観るべきか、否か――?
提供:ディズニー
セプテンバー5
【“史上最悪”の事件を、全世界に生放送】こんな映像、観ていいのか?ショッキングな実話
提供:東和ピクチャーズ
次に観るべき“珠玉の衝撃作”
【余命わずかの親友から奇妙なお願い】「私が死ぬとき隣の部屋にいて」――魂に効く“最高傑作”更新
提供:ワーナー・ブラザース映画
激しく、心を揺さぶる超良作
【涙腺が危ない】切なすぎる物語…さらに脳がバグる映像美×極限の臨場感にド肝を抜かれる!
提供:ディズニー