幼少期シンバ&ナラを演じた注目子役2人が告白! “超実写版”「ライオン・キング」裏話
2019年7月30日 13:30
[映画.com ニュース]1994年、当時の歴代アニメーション映画世界興収トップを記録した「ライオン・キング(1994)」。同作の公開から四半世紀――“超実写版”として描かれた「ライオン・キング」(ジョン・ファブロー監督作)が、8月9日に日本公開を迎える。今回インタビューに応じた主人公シンバ(幼少期)役のJD・マクラリー、そして幼なじみナラ(幼少期)役のシャハディ・ライト・ジョセフが、“超実写版”の裏話を明かしてくれた。(取材・文/細木信宏)
“2歳から歌い始めた”というマクラリーは、現在12歳。ラッパーのチャイルディッシュ・ガンビーノ(=ドナルド・グローバー)とともにグラミー賞の場で楽曲「Terrified」を披露するだけでなく、NBAチーム“ロサンゼルス・クリッパーズ”の本拠地「ステイプルズ・センター」では、アメリカ国歌の独唱を担当。現在は、タイラー・ペリーによるテレビシリーズ「The Paynes(原題)」に出演しており、「ハリウッド・レコード」との契約を結んでいる。
一方、14歳のジョセフは、14年からブロードウェイ版「ライオン・キング」のナラ役を担当。その後、アンドリュー・ロイド=ウェバーによるミュージカル「スクール・オブ・ロック」にオリジナルキャストとして参加。16年のテレビ映画「Hairspray Live!(原題)」を経て、ジョーダン・ピール監督の話題作「アス」(9月6日公開)への出演を果たしている。
そんな注目の子役たちが参加した「ライオン・キング」は、アフリカの大自然を舞台に、“未来の王”である若きライオン・シンバの運命と冒険を壮大なスケールで描く物語。父ムファサの庇護の下、好奇心旺盛なシンバは伸び伸びと育っていた。しかし突然ある悲劇に見舞われ、王位を狙うライオン・スカーの陰謀により王国を追放されてしまう。やがてイボイノシシのプンバァ、ミーアキャットのティモンら仲間とともに、シンバは強くたくましく成長し、王としての責任や使命に目覚めていく。
マクラリーが本作への参加を知らされたのは、「The Paynes(原題)」の撮影を終え、ロサンゼルスの自宅に帰った時のこと。母の口から聞いた吉報について「あれは頭がおかしくなるかと思ったくらい衝撃的だった! ディズニー映画に関われるだけでも、とても名誉なことだし、しかも、僕の好きな『ライオン・キング』の実写版。(幼少期の)シンバ役なんて、とてつもない幸運だよ!」と満面の笑顔で振り返る。ジョセフも同じく「『ライオン・キング(1994)』は、私のお気に入りの映画のひとつだった。実は、あの映画は、“女優になる”というインスピレーションを与えてくれた作品」と特別な思いを抱えていたようだ。
各キャストが別々のタイミングで行うこともある“声のレコーディング”。本作では、声優陣が“同じ空間”で行っていたようだが、ジョセフはこの配慮に対して感謝しきりだ。
ジョセフ「もしも、他の声優陣とともに、レコーディングが出来ていなかったらとしたら……キャラクター同士の仲の良さに、真実味が欠けていたと思う。そう感じてしまうほど、(“同じ空間”での)レコーディングが上手くいったの。こういう機会を与えられていたのは、とても幸運だった」
劇中の見どころのひとつは、シンバの仲間プンバァ&ティモンを演じるセス・ローゲンとビリー・アイクナーのユニークな掛け合いだ。2人のやり取りは“ほぼ即興”だったようで「あまりにすごくて…僕は(彼らに合わせて)即興芝居はできなかった(笑)」と振り返るマクラリー。さらに、ローゲンとアイクナーの即興芝居が、そのまま劇中に使用されるとは思っていなかったため、「完成版を見て、驚いてしまった」とのこと。一方のジョセフは「もしも、私たちがセスやビリーのように“即興”をやっていたとしても、おそらくファブロー監督は受け入れてくれたと思います。でも、脚本自体がすごく良い内容だったの。だから、出来る限り、脚本に従って演じていたわ」と答えてくれた。
動物の毛1本1本までも鮮明に描いたCGのクリエーションの話題に移ると「撮影初日、ファブロー監督に『見せたいものがあるんだ』と言われて、その際にVR(バーチャル・リアリティ)のシステムを導入していることを知ったんだ」と話すマクラリー。「僕らがゴーグルをつけると、VRの世界に、サバンナの風景に加えて、プライドロックや滝などが映し出されていた」と圧倒されたようだ。事実、ファブロー監督は、アフリカを再現するために徹底的なこだわりを見せている。現地調査&写真撮影を行い、得た情報を基にCGで再現。その素材を、VRへと落とし込んでいったそうだ。
「(完成した映画をプレミアで鑑賞した際)VRゴーグルをつけて見たわけではないんですが、実際にキャラクターたちと一緒にサバンナにいる感覚を抱いた」というマクラリーの言葉通り、スクリーンからは大自然、そして動物たちの“躍動感”が迫ってくる。「あの映像を見た時、この映画は大ヒットすると思ったわ」(ジョセフ)という発言を裏付けるかのように、公開3日間の全米オープニング興収は約1億9177万ドルを記録する大ヒットスタートとなった。
本作のテーマは「サークル・オブ・ライフ」(生命の巡り)。“我々は自然の一部であり、次の世代に受け継がなければならない”という重要な言葉だ。マクラリー&ジョセフが駆け抜けた“超実写版”は、その意味を再認識させられる仕上がりとなった。
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