グザビエ・ドランがカンヌで新作お披露目 原点回帰の親密な物語
2019年5月27日 13:00

[映画.com ニュース]カンヌ映画祭終盤では、注目の3作品が続々と披露された。まずはグザビエ・ドランの新作、「Matthias and Maxime」。20代の幼馴染みの男友だちが、知り合いの学生映画でキスシーンを演じたことから、自身のセクシュアリティに目覚め微妙な仲になっていく。ドラン自身に近い親密な物語であると同時にマキシム役を彼自身が演じていることでも話題に。ドランは記者会見で、これはあくまでフィクションと断りながらも、「僕はずっと友だちがいなかったけれど、二十代後半でやっと友情というものを知ったのをきっかけにこの映画を作ろうと思った」と語った。前作「The Dearth and Life of John F. Donovan」では、キット・ハリントンを主演にハリウッドを舞台にしたドランだが、本作では原点に回帰したような瑞々しい魅力とノスタルジックな味わいに満ちている。
批評家から大きな支持を受けたのがポン・ジュノの「Parasite」だ。貧しい家族の息子が裕福な娘の家庭教師になったのをきっかけに、一家全員がそのブルジョワ家庭に支えることになり、そこからだるま式に問題が発生していく。この監督ならではの独創性に富み、今日の韓国社会を反映した問題を力強くユーモラスに描き、エンターテインニングな一作に仕上がった。
アブデラティフ・ケシシュの「Mektoub, My Love: Intermezzo」は、昨年ベネチア国際映画祭で上映された「Mektoub, My Love: Canto Uno」の続編にあたり、同じ主演俳優によるキャラクターたちの夏の終わりの一幕を描く。もっとも、3時間32分のなかでビーチとナイトクラブと寝室しか出てこない本作にほとんどストーリーはなく、3時間近くはナイトクラブで延々と女たちが腰を振って踊っているシーンに当てられる。さらに途中で男女がトイレで激しく絡むポルノ的な描写も挿入されるだけに、プレス上映では途中退場者が続出。終映時には野次も飛んだ。
ケシシュは記者会見で、「人生、愛、欲望、音楽、肉体を祝福したかった。実験的で、審美的にもこれまでとは異なる新しい映画体験を提供したかった」と語ったが、映画を見る限り、ただ動物のようにさかりのついた若い男女の絶え間ない戯れをみせられているだけで、そこに深淵な意図や映画的な新しさは何も感じられない、という印象を受けた。(佐藤久理子)
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