市川崑監督×萩原健一「股旅」、黒木和雄監督×原田芳雄「祭りの準備」が初BD化!
2019年5月20日 12:00

[映画.com ニュース] 市川崑監督がメガホンをとった「股旅」(1973)、黒木和雄監督が手掛けた「祭りの準備」(75)がHDニューマスター版で初めてブルーレイ化され、DVDも再発売されることが決定した。
1960年代に発足し、既存の日本映画とは一線を画した前衛的な芸術作品や野心的な青春映画などを世に送り出してきた映画会社ATG(日本アート・シアター・ギルド)。ATGの旧作がラインナップされた「ATGライブラリー」シリーズに加わる「股旅」「祭りの準備」は、「何かを成し遂げたい」と願う若者の葛藤をとらえている作品だ。
3月に死去した萩原健一さんが、小倉一郎、尾藤イサオとともに主演を務めた「股旅」は、ヤクザの世界で名を売ろうと社会の底辺で懸命にもがく3人の若者を描いた異色の青春アウトロー時代劇。ATGと初めてタッグを組んだ市川監督は、自由を求めて放浪する無宿人の生態を徹底したリアリズムで映し出し、義理人情がどのような形で生活の中に残っているのか、というテーマを追究した。本作で萩原は純粋さ、荒々しさ、寂寥感が同居した強い存在感を放っている。
「祭りの準備」は、脚本家・中島丈博氏(大河ドラマ「炎立つ」、映画「壬生義士伝」)の半自伝的小説を映画化。昭和30年代の高知・中村市を舞台に、理想と現実の狭間で思い悩む脚本家志望の青年が東京へと巣立っていく姿を描出した。黒木監督とともに「竜馬暗殺」など傑作を生み出してきた原田芳雄さんが、主人公の幼なじみで盗癖を持つ利広を体現し、第49回キネマ旬報ベスト・テンの助演男優賞を受賞。利広が旅立つ主人公を鼓舞するラストシーンは、名場面として語り継がれている。
フォトギャラリー
関連ニュース






91歳の草笛光子“訳アリ”の役に心躍る いまでも忘れられない“耳に残っている言葉”も明かす【「アンジーのBARで逢いましょう」インタビュー】
2025年4月4日 09:00