世界を挑発する覆面アーティスト、バンクシーがわかるドキュメンタリー4本
2019年2月4日 17:00

[映画.com ニュース]オークションで約1.5億万円で落札された作品裁断、東京での作品発見情報、パリでは盗難……と、昨年から日本のニュースでも取り上げられ、頻繁に世間を騒がせているアーティスト、バンクシー。世界の社会問題を風刺する作品を予告なしに発表し、公の場に姿を現さないという、ゲリラ的なパフォーマンスが人々の関心を集めている。そんな覆面アーティスト、バンクシーは自身で映画も作っている。バンクシーとは何者なのか? そしてその活動や作品の価値に迫ったドキュメンタリー4作品を映画.comが紹介する。
▼バンクシー自らが監督!「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」(2010)

第83回米アカデミー長編ドキュメンタリー賞にノミネートされて話題となったバンクシーの初監督作。インベーダーと名乗るフランス人アーティストのいとこで、各地のストリートアートを撮影していた男、ティエリー・グエッタが、バンクシーの取材に成功する。バンクシーは自らを映像に残すことを認めるが、グエッタに映像製作の才能がないと気づき、グエッタを“ミスター・ブレインウォッシュ”というアーティストに仕立てあげ、ミスター・ブレインウォッシュは人気アーティストになっていく……。虚構と現実をひっくり返す、バンクシーのアーティストならではの手法に舌を巻く。
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▼SNSでバンクシーを追う人々の熱狂「バンクシー・ダズ・ニューヨーク」(2014)

2013年10月、ニューヨークの路上に作品を発表しつづけたバンクシー。その場所を探し当てるために人々がニューヨークを駆け巡った1カ月間を記録したドキュメンタリー。13年10月1日、スプレー缶を手にした少年の絵がニューヨークの路上に現れた。それから1カ月間、バンクシーは毎日1点、ニューヨークのどこかに作品を残し、場所を明かさずに公式サイトに投稿。人々はTwitterやInstagram、Facebook、VineといったSNSを駆使し、その作品がどこにあるのかを捜索する「バンクシー・ハント」に明け暮れる。「都市や屋外、公共の場所こそアートが存在すべき場所」「アートは市民とともにあるべき」というバンクシーの信念に基づくたくらみに熱狂するファンの姿を映す。
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▼アンチバンクシーの声も映し出す「バンクシーを盗んだ男」(2018)

紛争地区に指定されているベツレヘム、パレスチナとイスラエルを分断する高さ8メートル、全長450キロを超える巨大な壁にバンクシーが描いた「ロバと兵士」の絵が、イスラム社会を冒涜しているとパレスチナ住民たちの反感を買う。また、その壁は、キリスト教徒である地元の権力者に雇われた現地のタクシー運転手のワリドによって切り取られてしまう。ワリドはその壁画をオークションに出品し、最高額の入札者への売却を試みる。バンクシーがパレスチナ紛争地帯の分離壁に描いた絵をきっかけに、民族と宗教問題、芸術と著作権についても言及するドキュメンタリー。
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▼アートマーケットの裏側にも迫る「セービング・バンクシー」(2017)
バンクシーの作品を保護し美術館で展示したい願う人、バンクシーの作品を手に入れ、高額で売却したいアートディーラー。コレクターや、美術館キュレーター、そしてストリートアーティストら、バンクシーの作品を巡り、アートに関わるさまざまな人間模様と彼らの欲望を映し出す。どのように美術作品に値段がつくのか? アートディーラーの仕事とは? 美術館に飾られる美術品と、ストリートアートの違いは? などアートマーケットの裏側にも迫ったドキュメンタリー。
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(C)MARCO PROSERPIO 2017
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