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【パリ発コラム】「万引き家族」「未来のミライ」フランスで公開 「万引き」動員70万人突破

2019年1月26日 08:00

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仏版ポスター タイトルは「家族の事情」に
仏版ポスター タイトルは「家族の事情」に

[映画.com ニュース]今年の米アカデミー賞の外国語映画賞と長編アニメーション部門にそれぞれノミネートされた「万引き家族」と「未来のミライ」が、フランスでも相次いで公開され、好評を博している。

万引き家族」は、昨年カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞して以来、フランスで公開が待たれていた作品。是枝裕和監督がカンヌから凱旋帰国をした際、安倍総理大臣からの祝辞がなかったことが海外で報道されたり(『パルムドールは日本で価値がないのか』という質問をたびたび受けた)、その後秋には是枝監督がフランス製作の次回作「La Verite」をパリで撮影していたことも話題を呼び、一層注目が集まるなか、満を持して12月12日に公開された。結果は、その週の興行成績の第7位(CBO Box-office調べ)に食い込む健闘ぶり。さらに6週目には動員70万人を突破し、現在も記録を更新中である。

是枝監督は2004年に「誰も知らない」がフランスでも公開されて以来、1作ごとに着実に評価されてきたが、今回は彼が得意とする家族というテーマで、個々のキャラクターを活かしつつ巧みな群像劇にまとめあげた手腕が、彼の集大成的な作品として受けとめられている。たとえば、「美しくも、既成の価値観を転覆させるような家族の出来事。まさにパルムドールに相応しい」(カイエ・デュ・シネマ誌)、「是枝の繊細で手の込んだ芸術は、その頂点を迎えた」(レザンロックプティブル誌)、「ヒューマニティの見本のような泥棒一家の物語で、是枝は我々を驚嘆させ、感動させる」(ル・モンド紙)といった評価が目に付く。

家族という誰にとっても身近で普遍的な題材に、万引きという挑発的なテーマを絡め、ユニークかつ巧みに料理して人間味あふれる作品に落とし込んだ本作は、老若男女を問わず、広く国境を越えて人々の琴線に触れるようだ。

12月26日に公開された細田守監督の「未来のミライ」も、高い評価を受けている。こちらも昨年のカンヌにおいて、監督週間部門で上映され長いスタンディングオベーションで迎えられた。カイエ・デュ・シネマ誌は、「本作は何よりもまず、素晴らしく構築された作品。聡明に思考をめぐらして描かれたセットのなかで、キャラクターたちが進化していく」と評価。また週刊誌のテレラマは宮崎駿を引き合いに出し、「細田は世界でもっとも優れたアニメーション監督のひとりであり、「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」といった優れた作品で、宮崎駿の後を継ぐ存在。その類まれな観察眼ときわめて緻密なデッサンで、ひとつひとつの表現において真実を描写する」と絶賛している。

物語の構造が複雑ゆえに小さな子供にとってはいささか難しいのか、ジブリ作品のような大ヒットとまではいかないが、むしろティーンエイジャーから大人の観客に支持されている印象だ。今回のアカデミー賞でも、ジブリ作品以来初のアニメ部門ノミネーションを果たしたとあって、今後細田監督が日本のアニメ界を牽引するひとりと目されることは確かだろう。(佐藤久理子)

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