「クワイエット・プレイス」「サーチ」…“縛り”映画がブーム!2019年の注目作は?
2018年12月29日 18:00
[映画.com ニュース] 2018年も終わりに近づいているが、今年は「クワイエット・プレイス」「search サーチ」のような“縛り”設定のあるジャンルの作品が注目された。その流れを振り返るとともに、19年の注目作に焦点を当てる。
16年は異常な聴覚を持つ盲目の老人に見つからないよう“息をしてはいけない”「ドント・ブリーズ」、17年は高速鉄道の中という限定空間のなかで展開するゾンビ映画「新感染」が話題に。18年はその流れがさらに加速し、エミリー・ブラントが主演した「クワイエット・プレイス」は、音に反応して人間を襲う何かによって人類が滅亡の危機に瀕した世界を舞台に、“決して音を立ててはいけない”というルールのなか生き延びる家族のサバイバルを描いた。「search サーチ」は“パソコン画面の映像だけ”で全編進行し、行方不明となった娘を探すため、父親が娘のPCを使ってSNSにアクセスを試みる。
劇場公開作品以外にも、このジャンルの流れは広まりつつある。米ストリーミング大手Netflixによるオリジナル映画「バード・ボックス」(配信中)の舞台は、正体不明の“それ”に突き動かされた人々が続々と命を絶ち、人口が激減した世界。“それ”を見ないよう、目隠しをして逃避行に出る親子の姿が描かれる。
19年にも、これらの流れを汲んだといえる作品がいくつか存在する。その1本が、第34回サンダンス映画祭で観客賞を受賞したデンマーク映画「THE GUILTY ギルティ」(19年2月22日公開)だ。過去のある事件をきっかけに警察官として一線を退き、緊急通報指令室のオペレーターを務めるアスガー(ヤコブ・セーダーグレン)が、今まさに誘拐されているという女性からの通報を受け、電話から聞こえる声や音だけを頼りに事件解決を目指す。ワンシチュエーションながらも予測不可能な展開で引き込み、米批評家サイト「Rotten Tomatoes」では99%を記録している(12月27日時点)。
ほかにも、11年にノルウェーで実際に起きた、1人の男が77人を殺害したエリック・ポッペ監督作「ウトヤ島、7月22日」(19年3月8日公開)が特徴にあてはまる。生存者の証言をもとに史上最悪のテロ事件に焦点を当て、余計なドラマや音楽などの装飾を排除して描出し、全編のうち72分間がワンカットという手法がとられている。国内に目を向けると、「カメラを止めるな!」も公開前は37分ワンカットが大きく売り出されていた。
趣向を凝らした“縛り”ジャンルがあるなか、どれもその特長をうまく生かしたドラマが展開され、ストーリーの盛り上げに一役買っている。19年もこのジャンルから新たなヒット作が誕生するのか、目を離すことができない。
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