「最新の音楽、スタイルがちりばめられている」三宅唱、宮崎大祐が語るヒップホップ映画「キックス」
2018年11月28日 14:00
銃や麻薬が隣り合わせにある貧困地域に住む少年たちの物語を、ストリート、スニーカーのカルチャーを交えNas、Jay-Z、ケンドリック・ラマー、2PACらのヒップホップの楽曲と共に描く。主演は新人ジャーキング・ギロリー。新鋭ジャスティン・ティッピング監督の長編映画デビュー作。共演に「ムーンライト」でアカデミー賞を受賞したマーシャハラ・アリ、クリストファー・ジョーダン・ウォーレス。
米軍基地の町で暮らす女性ラッパーを描いた「大和(カリフォルニア)」のメガホンをとった宮崎監督は「最新のアメリカのファッション、音楽、スタイルすべてがちりばめられていて楽しかった」と感想を述べ、「ヒップホップ映画は豊かではない住人が勝ちあがっていく話が多いけれど、これは奪われたスニーカーを取り返すという冒険譚。自分も新しいヒップホップ映画の語りを目指していたのでシンパシーを感じた」と語る。
「THE COCKPIT」でヒップホップアーティストを映した三宅監督は、スローモーションが多用される本作に対し、「これまで見てきた映画と違って、面白いことと戸惑いがあった。ボーナストラックの入ったCDアルバムを見ているよう。音楽が伝わってきた」とコメント。「スニーカーと呼ばずに『キックス』と呼ぶだけで、現実は何も変わらないんだけど、魔法がかかって別の世界に行ける」「今流れている時間から自由になりたくて映画や音楽を鑑賞するし、作りたいと思う。そういう意味でこの映画は別の時間を体験できる」と、ヒップホップ独自のスタイルとティッピング監督が作り上げた世界観に言及した。
15歳の少年ブランドンは、クールなスニーカーさえあれば、現実から逃れられると信じている。しかし、必死に貯めたお小遣いで手に入れたお気に入りのスニーカーが逆に目立ってしまい、地元のチンピラたちに目を付けられてしまう。チンピラたちにスニーカーを奪われたブランドンは、2人の親友を連れてスニーカーを取り戻そうとする。
「キックス」は12月1日から渋谷シネクイントほか全国順次公開。
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