押見修造原作「惡の華」実写化決定 監督・井口昇×脚本・岡田麿里で青春のリビドー描く
2018年11月8日 08:00

[映画.com ニュース] 累計発行部数300万部を突破した押見修造氏による漫画「惡の華」が実写映画化され、2019年に公開されることがわかった。押見氏の指名を受けた井口昇監督(「片腕マシンガール」「ブルーハーツが聴こえる」)がメガホンをとり、アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などで知られる岡田麿里が脚本を担当。鬱屈とした青春のリビドーとトラウマ、そして魂の再生を描き出す。
“絶望”をテーマに主人公の鬱屈とした青春を紡ぎ、「このマンガがすごい!2011」オトコ編の10位にランクイン、「マンガ大賞2012」ではノミネートを果たした同名漫画が原作。その過激なストーリー展開から“ティーン世代の禁断のバイブル”として愛され続け、13年にはユニークな手法でテレビアニメ化されたほか、16年には舞台化もされた。
山々に囲まれた地で息苦しい閉塞感に苛まれながら、詩集「惡の華」への憧れを抱える中学2年生の春日高男は、ある日クラスのマドンナ・佐伯奈々子の体操着を見つける。誰もいない放課後の教室。胸の高鳴りを抑えきれずにいたその時、春日は人の気配を感じ、咄嗟に体操着を掴み逃げ出してしまう。クラスの変わり者・仲村佐和が、その一部始終を目撃していた。「ばらさない代わりに、私と契約しよう」。こうして2人の、奇妙だが甘美な共犯関係が始まった。仲村の奴隷と化した春日は、自己嫌悪や自己矛盾に引き裂かれそうになりながら、彼女に「惡の華」に似た魅力を感じていく。
作風から国内外でカルト的人気を誇る井口監督は、「『惡の華』を初めて読んだ時、最初の数ページで『これは絶対に映画にしたい。そのために映画監督になったのではないか』と全身に電流を浴びたような衝撃と直感に満ち溢れました」と、存在理由にも繋がる衝動に突き動かされたことを告白。長年「片思いのような気持ち」を抱えていたが、ついに実現の運びとなり「毒のある過激さだけではない普遍性と、孤独を感じる少年少女への共感が、『惡の華』に人々を惹きつける理由だと思います。今を生きる観客が求める題材とリンクしてきた『惡の華』こそ、今映画にするべき作品だと思っています」と思いを語っている。
そして「暗黒女子」など実写映画も手がける岡田は、執筆に向け「自意識の暴走と、どうしようもない焦燥と、それらが引き起こす羞恥と、土地がもたらす閉塞感と……。『惡の華』が持ついくつかのテーマは、誰しもの思春期と重なる部分があると思います。皆さんの中の少年少女が疼くような、そんな作品になるといいなと思います」と意気込む。多くの作品が映像化されている押見氏は、「井口昇監督に『惡の華』を撮って頂くことは、長年の夢でした。僕の魂を救ってくれて、物語の作り方の手本にしてきたのが井口監督の作品だったからです。『惡の華』を描く上でも多大な影響を受けました」と恩義をにじませ、「ですので、1番楽しみにしている観客は僕だと思います! さらに、岡田麿里さんの脚本が絡み合うことで想像以上のものが出来ると思っています。本当の、切実な、胸に突き刺さる“変態”を見れることを心待ちにしています」と大きな期待をこめた。
撮影は11月から関東近郊で行われ、19年に劇場公開予定。キャストは今後発表される。
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