「男はつらいよ50」に歴代マドンナ結集!後藤久美子&夏木マリ&浅丘ルリ子
2018年10月31日 15:55
[映画.com ニュース] 国民的人気映画「男はつらいよ」シリーズの50周年プロジェクトとして22年ぶりに製作される新作「男はつらいよ50 おかえり、寅さん(仮)」の製作会見が10月31日、東京・世田谷の東宝スタジオで行われた。この日は、通算88本目のメガホンをとる山田洋次監督、レギュラーキャストの倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆、過去作で“マドンナ”を務めた後藤久美子、夏木マリ、浅丘ルリ子が出席した。
1969年8月27日の映画第1作「男はつらいよ」封切りから、来年は実に50年。その節目に製作される第50作は、96年8月4日に死去した渥美清さんが“主演”だ。フーテンの寅こと車寅次郎が久しぶりに銀幕に帰ってくる。新旧織り交ぜた多彩なキャストによる新撮パート、歴代の名場面を組み合わせた構成になるそうで、山田監督は「かつてある人が言っていた。『映画を見に行くんじゃなくて、寅さんに会いに行くんだ』と。何とかして今までの作品に負けない、集大成的な作品にしたい」と訥々と語った。
10月20日にクランクインした今作は、吉岡演じる諏訪満男の妻の七回忌法要から始まる。葛飾柴又の帝釈天にあった老舗の団子屋「くるまや」は団子など甘味を売りにしたカフェへと生まれ変わり、その裏手に昔のままの住居があるという設定。サラリーマンから小説家に転身した満男は、新作の評判が良くサイン会をすることに。その列に並ぶ客の中に、かつて結婚の約束までした及川泉(後藤)の姿を見つける。結婚してヨーロッパで生活しているという泉(今作の役名はイズミ・ブルーナ)を小さなジャズ喫茶へ連れて行く満男。その店の経営者は、20年以上前に奄美大島で会った寅次郎の恋人、リリーだった。
会見は、ユーモアたっぷりで爆笑が続くものとなった。先陣を切ったのは、さくら役の倍賞で「50年も経ってしまったさくらでございます。またさくらに会えるとは思ってもみなかった。セットに入ってみてホッとした。台本をいただいた時には、どうなるかと思いましたから。家でセリフを声に出してみたとき、違和感があったもので。でも、セットで動き出してみたら、それなりに年を取ったさくらがいた」とニッコリ。一方、満男に扮する吉岡は、「満男が寅さんに言われたセリフで、『困ったことがあったら、おじさんを呼べよ。いつでも飛んできてやるから』というものがあって、僕自身にとってもどんなにも救いになったことか……。今まで呼んだことなかったんだけど、今回ばかりは呼んでみた。でも、まだ来てくれない。おじさんの耳にはまだ届いていないのかなあ」と思いを馳せた。
第42~45、48作の5本でマドンナを務めた後藤は、スイス・ジュネーブの自宅へ山田監督から長い手紙が届いたことを告白。「読んでいるうちに、監督のシリーズへの大きな愛情、今作への情熱をひしひしと感じました。これは、引き受ける、引き受けないなどと、私が考慮する権利はないような気がしてきました。ひとつ返事で行くんだ! と思った」そうで、23年ぶりの銀幕復帰についても「不思議な感覚で、ほんのちょっとおいとましていて、久しぶりに戻ってきた感覚なんです」と明かし、隣に座る山田監督にほほ笑みかけた。
寅次郎が最も愛し、シリーズ史上最多となる5作品でマドンナ・リリーに息吹を注いできた浅丘は、かつての出演作をすべて目を通したという。「何でリリーは一緒にならなかったんだろう? 今でも残念でならない。あんな素敵な人はいない。大好きだったのに、意地を張ってこんなことになってしまったんだろうという気持ち」と寅次郎への思いを吐露すると、山田監督が「(寅次郎がここにいたら)『リリー、俺と所帯を持とうよ』って言うんじゃないかな」と合いの手をうつと、「本当? そうしたら、今度は逃げないわよって言います」と言い切り、報道陣を盛り上げた。
映画は、2019年12月27日に全国で公開される。
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