福士蒼汰&竹内結子「旅猫リポート」が特別な作品になった理由は?
2018年10月25日 13:30
本作は、心優しい青年・悟が、ある事情から飼えなくなってしまった愛猫ナナと一緒に、新しい飼い主を探して日本各地をめぐる様子を描き出す。幼少期の親友や初恋の相手など、悟がこれまでの人生で出会ってきた人々を訪ね歩くなかで、伝えられなかった気持ち、隠していた過去や秘密が明らかになっていく。悟役で福士が主演を務め、竹内は悟を幼少期から見守る親戚の叔母・法子を演じている。
脚本には原作者の有川氏も参加し、悟とナナの旅を丁寧に描いている。完成作を見た福士は「悟の回想シーンを見て、泣いてしまいました。普段だったら、自分の出演作品を見るときは撮影のことを思い出したり、自分の反省点を考えてしまうのですが、今回は自然に悟に感情移入できました」と明かす。「関係者の方も泣かれている方が多かったです。男性の方も泣いている音が聞こえて、そこまで泣いていただくことはなかなかないので、うれしかったです。ナナのおかげというのも大きいと思います」と“相棒”に感謝する。
同じく感動したという竹内は「見終わったときに、たまらない気持ちになりました。以前、実家で猫を飼っていたのですが、あの子もナナみたいに私たちのことを思っていてくれたらいいな」と懐かしむ。
続けて、「悟みたいに人生に感謝しながら生きるって素敵ですよね。でも、良い人の役を演じているとしんどくない? 私の場合は普段の自分が役ほど優しい気持ちにはなれないって苦しくなったり、逆に敵ばかり作るような役だと普段はとても優しい気持ちでいられる」と福士に問いかけるも、福士の答えは「ナナがいてくれたからか、今回はそういった波はありませんでした。毎日ナナに『おはよう』『お疲れ様』と声をかけて、ずっと癒されていました」。納得した表情の竹内も「確かに、撮影でナナを待つ時間は、撮影現場全体もナナに無理をさせないようにと、優しい空気感があって癒やされていましたね」。撮影を思い出す2人の顔に自然と笑顔が浮かぶ。
現場に癒やしを与えてくれたナナだが、劇中では本当に演技しているように見えるシーンも。福士は「その方向にジャンプするんだとか、たくさん驚かされました。台本からは全然予想できなくって、素直に感動しました」、竹内も「乗り降りする動きだけでもいろんなパターンがあったり、動きが読めない。しっぽとか、細かところでも人が想定できない動きをするんです」と驚きを伝える。
撮影まで猫と長く触れ合う機会がなかったという福士は「トレーナーさんの動きを見て、ナナを抱っこしながら、この抱き方は嫌がるかなとか試行錯誤して学んでいきました」と距離を縮めていき、「引っかかれることはなかったけれど、猫パンチはされました(笑)。でも、今はナナもほかの猫も大好きになりました」と笑顔を見せる。
最近はアクション作品が続いた福士だが、今回演じたのは自身のイメージに近い心優しい青年。「これまでより自分自身の要素が大きいと思っていました。三木康一郎監督から『それでいい』と言っていただいたのですが、初めはどこまで自分でいていいのか戸惑いもありました」と重圧を感じつつ、「撮影を進めるにつれて、側にナナがいてくれることで、動物といるときの普段の自分が必然的に引き出されました。自分でもはっきりした理由はわかっていないのですが、この作品は特別です」と思い入れの強さをにじませる。
そんな思いを汲み取っているのかいないのか、写真撮影に現れたナナは主演として頼もしく引っ張った福士に抱っこされると、すっかり安心しきった様子。竹内の姿も確認した後、福士に完全に身を預けながらしっかりカメラ目線を決めてくれた。
「旅猫リポート」は10月26日から全国公開。
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