最小限の言葉、裏設定…東出昌大「寝ても覚めても」の“濱口メソッド”を熱弁
2018年9月8日 21:30

[映画.com ニュース] 芥川賞作家・柴崎友香氏の小説を映画化し、第71回カンヌ映画祭のコンペティション部門に出品された「寝ても覚めても」(公開中)のティーチインが9月8日、東京・テアトル新宿で行われ、主演の東出昌大、メガホンをとった濱口竜介監督が登壇した。
ミステリアスな自由人・麦(バク)、柔和で誠実なサラリーマン・亮平という同じ顔をした2人の男を演じた東出は、関係者初号、カンヌに続き、観客とともに3度目の鑑賞。「3度目の今日が一番心に響いたので、つくづく自分は凡人だなと思いました(笑)」と感想を述べながらも、改めて「出演しておきながら、傑作だったなと思っちゃいました。こういう映画に今後も出たい――こういう映画がつくれればと思います」と濱口監督とのタッグに充実の笑みを浮かべていた。
「相手のお腹に鈴が垂れていると思ってセリフを発する。そういう風にイメージするとお腹がキュッとなり、こちらが欲している発声に近づく」といった独特の演出方法「濱口メソッド」を実践する濱口監督。ラストシーンにおける「東出のカメラ目線」に関する質問が飛ぶと、「余計なことを言うと、余計なことを考えてしまう。だから『こんなところにカメラが割り込んで大変申し訳ないんですけど、カメラを見てください』とだけ」と最小限の言葉を意識したようだ。「実は大好きなカット」と明かした東出は、「撮影が終わって『なんでカメラを見てくださいとだけ言ったんですか?』と聞いたら、『あの時の顔をお客さんに見せたかった』と言ってくださった」と振り返っていた。
「『ハッピーアワー』では前日譚、裏設定が決められていたが、今作にはありますか?」と問いかけられると、濱口監督は「ありました」と即答。「特に20代のメンバーにはクランクイン前にワークショップを行い、キャラクターがインタビューに答えている資料をお渡ししました」と続けた。17の質問と答えで構成されていた資料は麦のものはなく、亮平にはあったようで、東出がその内容を詳細に語った。
「例えば『愛とはなんですか?』と亮平が聞かれている。すると『そういうこと聞かんといてもらえます?』というところからインタビューが始まっているんです」と話し始めると、「思春期の頃はYEN TOWN BANDの『Swallowtail Butterfly あいのうた』を聴いていた」「母親に『なんやねん、その裏声の変な曲』と言われ、自分のアイデンティティを傷つけられた」「不機嫌になって弟を引っぱたいたら、弟が泣く。それを母に怒られて自分も泣くなか、CHARAが歌っていたという地獄絵図」と流れを説明。「これが亮平の“愛について”の答えなんですよ! 監督、すごいなぁと思いました」と感心しきりだったが、濱口監督は「実際はひとりっ子なので、設定が違っているんですけどね。間違って書いてました(笑)」と暴露して、場内の笑いを誘っていた。
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