「男はつらいよ」22年ぶり新作が製作決定! 渥美清さんが主演、2019年に公開へ
2018年9月6日 15:12
[映画.com ニュース] 山田洋次監督作「男はつらいよ」シリーズの50周年プロジェクト発表会が9月6日、東京・新宿ピカデリーで行われ、同シリーズ約22年ぶりとなる新作映画の製作が発表された。1969年8月27日の映画第1作公開から、50周年を迎える2019年に、第50作として封切られる。主演は故渥美清さんが務め、共演には倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆が発表されたが、渥美さんがどのように登場するは明かされなかった。
“フーテンの寅”こと車寅次郎(故渥美清さん)の風のように気ままな生き様を描き、国民的人気映画として愛され続けてきた「男はつらいよ」シリーズ。「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」以来約22年ぶりの新作は、新旧織り交ぜた多彩なキャストによる新撮パートと、第1作からの名場面を組み合わせた構成となる。プロデューサーの深澤宏氏によると、来月から撮影が始まり、物語の舞台は現代、そしてこれまで参加したキャストが変更されることはないという。
この日はメガホンをとる山田監督、さくら役の倍賞千恵子も登壇。山田監督は「1960年代後半から70年代前半にかけて、なんだか日本人が1番元気だったんじゃないか。1番幸せな時代だったと思うわけです。寅さんは、まさにその時期に生まれた」と切り出し、「あの元気いっぱいな豊かな時代を想起しつつ、『新しい時代へのギアチェンジをしないといけない』、そんなことを笑いながら考えてみる。そんな映画ができたらいいと思い、50作を計画し、今準備しています。ちょっと不思議な映画ができるんじゃないかと、僕もとっても楽しみにしています」と説明した。
さらに山田監督は、「さくらさんの息子(吉岡演じる満男)がちょうど50歳になろうとしているわけで、彼の生い立ちが中心になると思う。今、彼が何を考え、何をするのか。なおかつ主役は渥美清さんである」と述べる。「今、僕たちは幸せだろうかということ。あるいは君たちはどう生きるかということ。これが作品のテーマになる」と続け、「今まで(作品に)登場した人たちは、1人残らず、ちょっとでも、観客は会うことができる。そんな映画にしたいと思っています」と明かした。
また倍賞は、出演にあたり「1年前か2年前か、山田さんから『また寅さん撮るよ』と聞いてびっくりした。お兄ちゃんはいないし、私もいい年だし、『どうするんですか』と聞いたら『そのままでいい』と」と驚きの様子。それでも「『どうしてお兄ちゃんがいないのにできるのかしら』と思いましたが、50年の間、寅さんは皆さんの心のなかに生きていたんです。皆さんの『いつかできないのか』という思いが、山田さんを動かして、こうしてまた映画ができた」としみじみ語り、「お兄ちゃんがどこかで見ていたら、『おまえ、まだ山田さんと一緒に映画を作らないとダメだ』と言っている気がする。生き残った諏訪さくらの家族と一緒に、自信を持って、今のままの自分でさくらさんをできたらと思っています」と真摯に意気込んだ。これに対し、山田監督は「さくらさんは、寅さんはどこかで生きていると思っているはず」といい、倍賞も「ヒデ(吉岡)と時々会うと、背後にふっと、お兄ちゃんがいるような気がするんです」とほほ笑んでいた。
プロジェクトではそのはか、シリーズ49作品の4Kデジタル修復&劇場上映、日本橋三越での展覧会、葛飾区・寅さん記念館の大幅リニューアル、寅さんの少年時代を描いた小説の刊行(9月5日から発売中)、LINEスタンプや着せ替えのリリースなど企画が多数進行している。
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