岩井俊二監督の最新作は「Last Letter」!松たか子×広瀬すず×神木隆之介×福山雅治がタッグ
2018年8月3日 05:00
[映画.com ニュース] 希代の映像作家・岩井俊二監督の最新作「Last Letter」が製作されることになり、「四月物語」以来約20年ぶりに岩井作品に出演する松たか子をはじめ、今作で1人2役に挑戦する広瀬すず、2人1役を演じる神木隆之介と福山雅治といった豪華俳優陣が、7月24日から岩井監督の故郷である宮城県で撮影に臨んでいることがわかった。
岩井監督が、自らの原体験を詰め込んだ集大成として、劇映画としては初めて出身地である宮城をロケ地に設定。手紙の行き違いをきっかけに始まった2つの世代の男女が繰り広げる恋愛、それぞれの心の再生と成長を描くオリジナルストーリーとなる。タイトルからも見て取れるように、中山美穂が主演した名作「Love Letter」(1995)を彷彿させる世界観でありながら、全く新しいエンタテインメントとして作り上げるという。
原作、脚本、編集も兼ねる岩井監督は、「かつて『Love Letter』という映画を作りましたが、当時は手紙のやりとりのあった時代でした。あれから通信手段は激変し、SNSでやり取りできてしまうこの時代にあって、手紙を使った物語は現代においては不可能だと思っていました」と振り返る。それでも、「ある日それを可能にするアイディアを思いついてしまったところから、この物語の構想がスタートしました。ある夏休みの間に起きた、世代を超えた手紙物語です」と製作意図を明かした。
主人公の岸辺野裕里に扮する松にとっては、山田洋次監督作「小さいおうち」以来、約4年ぶりの主演作。久々の岩井組となるが、「『四月物語』から時間を経て、再びお話をいただけてとてもうれしかったです。このお仕事をしていて、新しい方と出会うことも面白いことではありますが、一度ご一緒した方に声をかけてもらえると『あっ、嫌われてはいなかったのかな』と思ったりします(笑)。でも時間は経っているので、“今”の仕事になるよう、一生懸命頑張りたいと思っています」と参加を喜んでいる。さらに、「この作品には切ない気持ちみたいなものがあふれていますが、決して岩井さんがそれだけを思っているのではないのかも、とも思います。回想シーンがまるで“今”のように描かれていますので、うまくそれがつながっていくといいなと思います」と語り、自らの役どころへの思いの強さをのぞかせている。
一方、岩井組に初参加となる広瀬は、現代パートでは母(未咲)を亡くした遠野鮎美、回想パートでは学校のヒロイン的な存在の遠野未咲に息吹を注ぎ込む。裕里の姉・未咲の高校時代、未咲の娘(裕里の姪)という役柄は、広瀬を新たな境地へと導くことになりそうで「岩井さんの作られる映画の空気が大好きなので、カメラの前で感じられた空気、温度を大切に、嘘なく、演じられるよう頑張ります」と意欲をみなぎらせている。
また、かつて恋をした同級生の未咲との再会を願って同窓会に参加し、ひょんなことから裕里と文通を始めることになる乙坂鏡史郎役は、岩井監督が「この役は福山雅治しかいない」と熱望したという。快諾した福山は、「唯一無二の美しさで描かれる岩井監督作品への初参加、そして松さんとはおよそ20年ぶりにご一緒させていただけること、それぞれの出会いにとても興奮しています」と思いを馳せる。だからこそ「岩井監督が平成最後の夏に『Last Letter』という作品を撮られることの意味、そしてその現場に立ち会えることの幸運を全身で感じながら撮影に臨ませていただきます」と全力投球を誓った。
高校時代の鏡史郎を演じる神木は、憧れの存在でもある福山との2人1役に挑戦。さらに、新人・森七菜、庵野秀明、水越けいこ、小室等らが出演する。音楽は小林武史が手がけ、企画・プロデュースは川村元気が務める。
映画は、岸辺野裕里(松)は、姉・遠野未咲の葬儀で遺された愛娘・鮎美(広瀬)と再会する。母の死を受け入れられない鮎美は、母が遺した“一通の手紙”の封を開ける事が出来ずにいた。裕里は姉の死を伝えるために同窓会に参加。事実を伝えられないまま壇上でスピーチをする羽目になるが、会場で自分の初恋の相手だった鏡史郎と再会を果たす。鏡史郎は裕里を未咲と誤解したまま連絡先を交換し、「君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?」というメッセージを受信する……。2019年に全国で公開。
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