天皇皇后両陛下「羊と鋼の森」ご鑑賞 主演・山崎賢人は放心状態「光栄な時間」
2018年5月25日 04:00
[映画.com ニュース] 天皇皇后両陛下が5月24日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた映画「羊と鋼の森」の特別試写会にご出席された。両陛下のご鑑賞には主演の山崎賢人をはじめ共演の上白石萌歌、メガホンをとった橋本光二郎監督、原作者の宮下奈都氏、エンディングテーマのピアノ演奏を務めた辻井伸行氏も同席した。
ピアノの調律師・板鳥宗一郎(三浦友和)との出会いを機に、調律師の仕事に魅せられた青年・外村直樹(山崎)が悩み、迷い、挫折を経験しながら成長していく姿を描く。山崎らは両陛下とともに映画を鑑賞したほか、懇談会やお見送りも行った。
報道陣による取材に応じた山崎は、この日の感想を問われ「とても光栄な時間でした」と、極度の緊張からか放心状態。言葉はスムーズに出てこなかったが、「両陛下がお隣にいる状態で見るというのはすごく緊張しました。皇后陛下が『この(撮影)場所はどこですか』とおっしゃっていましたので、『北海道で撮りました』と言わせてもらいました」と振り返り、「(懇談では)最初に皇后陛下とお話をさせていただきました。『とても良い、美しい映画でした』と言っていただいて。皇后陛下は原作小説も読まれていたので、『外村のイメージにピッタリだった』とおっしゃっていただき、ものすごく嬉しかったです」と充実の笑顔を浮かべた。
ピアニスト役を演じた上白石は、「終始緊張していました。出させていただいたすごく大事な作品を、両陛下に見ていただいて光栄です。きっと、このことは忘れないだろうなというくらい、ギュッと凝縮された素敵な時間でした」と目を細め、「皇后陛下とお話したときに、『ピアノはずっとやってこられたのですか』と聞いていただきました。私は『映画に入る半年前から始めました』と答えましたら、すごくびっくりされて、『全くそうは見えなかったです』とおっしゃっていただきました」と喜びを明かす。姉妹についての話もしたそうで、「私たち姉妹(姉は上白石萌音)は身長差があるんですが、皇后陛下から『あなたが妹さんですか』と聞かれました。皇后陛下も、妹様のほうが身長が高いそうで、『私も同じです。お姉様にも宜しくお伝え下さい』とおっしゃっていただきました」と頬を緩めた。
さらに橋本監督も「我々がつくった映画を、お忙しいご公務の合間に見ていただくことだけでも、かなり貴重な機会。天皇陛下から『とても良い映画を見せていただきました。ありがとう』と温かいお言葉をいただき、胸がいっぱいになりました」とニッコリ。「圧迫するようなオーラというより、包んでくれるような、お優しい話し方をされていた」と語り、「皇后陛下はずっとピアノを続けてこられましたが、それは天皇陛下のチェロと伴奏するためで、お喜びのひとつであるとおっしゃっていました。お互いを尊重しあっている、良い関係なんだと、お話をうかがって感じました」と感激の面持ちだった。
「羊と鋼の森」は、6月8日から全国公開。
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