「さよなら、僕のマンハッタン」主演の注目株が名優から授けられた“俳優の心得”は?
2018年4月12日 07:00

[映画.com ニュース] 「アサシン クリード」や「グリーンルーム」に出演し、「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」(11月23日公開)で主人公の兄テセウス役に抜てきされた英国の注目俳優カラム・ターナーが、主演作「さよなら、僕のマンハッタン」について語った。
「(500)日のサマー」「gifted ギフテッド」のマーク・ウェブ監督による青春ドラマ。将来への漠然とした不安を抱える青年トーマス(カラム・ターナー)は、ある日父イーサン(ピアース・ブロスナン)の浮気現場を目撃。父の愛人ジョハンナ(ケイト・ベッキンセール)や、風変わりな隣人ジェラルド(ジェフ・ブリッジス)という2人の人物と出会ったことから、人生に変化が訪れる。
劇中で、主人公トーマスはさまざまな出会いを経て成長していく。ターナーも同様に、本作でかけがえのない経験を得たという。その1つが、「真のコラボレーションができる監督」と語るウェブ監督との共同作業だ。「事前に色々話し合うこともできたし、ここまでオープンな監督はなかなかいない。すごく自由にやらせてくれて、ストレスは一切なかったよ。音楽をかけて、リラックスした良い雰囲気のなかでやってくれるし、『このシーンはこうやったらどうかな?』と提案することもできるし、本当に柔軟性がある監督なんだ」とウェブ監督の人柄にすっかり魅了された様子のターナーは、印象的なエピソードとして、深夜に及んだ撮影時を振り返る。
「ナイトクラブで父親が愛人と一緒にいるのを発見するシーンは午前2時に撮影したんだけど、『このシーンは違うやり方がいいんじゃないかと思う』とマークに提案したら、『じゃあちょっと座って相談しよう』と言ってくれたんだ。みんな疲れて帰りたくなる時間帯なのに、マークはちゃんと僕に時間を使ってくれた。それで、結局は僕の意見が採用されたんだ。そういった意味で、マークは本当に一緒に作品を作ってくれる人だよね。作品にとって何が1番良いかを考えてくれる」。
ターナーにとってもう1つの“贈り物”といえるのは、名だたる豪華俳優陣との共演だろう。中でも、劇中で奇妙な師弟関係をかわすジェラルド役のブリッジスとは、劇中さながらのやり取りがあったという。「ジェフは大好きな俳優の1人で、映画界のアイコンともいえる人だ。撮影中には、髪型から服装のことまでアドバイスをたくさんくれたよ。特に、緊張とどう折り合いをつけるかということに関しては、『とにかく、やり続けるしかない』と言ってくれたんだ。『作品に出演することを決めて、みんなと友だちになって、楽しむこと。作品自体が良くなくても、その経験は素晴らしいものになる。映画がヒットしたり、誰かに喜ばれる良い作品になることは、おまけみたいなものだ。結果はどうであれ、プロセスを楽しむこと。常に成長すること。とにかく、やり続けろ』って、あの渋い声でアドバイスをくれたよ(笑)」。
出版社の社長の息子という設定から、米文学を数多く読み、自身も創作を行うなど役作りを行ったというターナーは、モラトリアム期の中でもがくトーマスに、「彼のような経験は僕ももちろんしているよ」と自身を重ね合わせる。「袋小路に入り込んで、どこに行けばよいか、自分がどこにいるか、わからないんだ。自分探しの旅をしながら、何者なのかを見つけ出そうとしている。僕の人生にもそういうことはあって、七面鳥が地面に頭を突っ込んでバタバタしているようにフラストレーションを感じたことはあるよ。19から21歳の頃には、トーマスと同じように、ロンドンの中でできる限り実家から遠いところに移動したりもしたんだ」。
「日本には17歳から18歳にかけて半年の間住んでいて、そのあと1度も行っていないんだ。日本が大好きだし、懐かしいよ」と明かしたターナー。「この映画は、僕自身が楽しんで演じた作品で、真実を見出す男性の物語で、ニューヨークへのラブストーリーなんだ。ミステリアスな部分もあるから、楽しんでくれるとうれしいな」と日本のファンへメッセージを送った。
「さよなら、僕のマンハッタン」は、4月14日から全国公開。
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