くまもと復興映画祭開幕!行定勲監督&高良健吾、映画祭の広がりを肌で実感
2018年4月7日 12:00
[映画.com ニュース] 熊本県出身の行定勲監督がディレクターをつとめる「くまもと復興映画祭 Powered by 菊池映画祭」が4月6日、熊本市の熊本城二の丸広場で開幕した。オープニングセレモニーでは「うつくしいひと」「うつくしいひと サバ?」のスピンオフとして作られた、行定監督の熊本映画3作目「いっちょんすかん」がプレミアム上映され、主演の米村亮太朗をはじめ、高良健吾、大地康雄、倉科カナ、斎藤工、行定監督らオールスターキャストが舞台挨拶に立った。
同作は、二度の大地震に襲われた熊本地震当夜の様子をコミカルに描いた作品で、「うつくしいひと」シリーズでもお馴染みのキャラクター・田上(米村亮太朗)が主人公。田上の恋人マコ(倉科カナ)とのラブストーリーや、「いっちょんすかん」が口癖の4人の幼なじみの友情など、笑えて泣ける、心温まる感動作に仕上がっている。探偵・玉屋末吉役の高良健吾の出演はもちろん、大地が特別出演、斎藤が友情出演をしている。
タイトルの「いっちょんすかん」とは、熊本弁で「全く好きじゃない」という意味だが、「本当に嫌いな人には言わない言葉、好きだと言っているようにも思える」と行定監督が説明するように、「いっちょんすかん」と言いながらも相手を思いやる、熊本の人々のユーモアと温かな絆が描かれる。
この日は朝から雨模様だったが、オープニングセレモニーの頃にはすっかり上がり、二の丸広場は映画祭を楽しみにする多くの観客で埋め尽くされた。行定監督は「映画祭のファンが増えてきているのを実感しています」という喜びと共に、「一枚岩になってみんなで復興しているという実感は、時間が経つと風化していくものです。だからこそこういう映画を見て、人の温かさや寛容さを思い出してほしい」と熱い思いを伝えた。
毎年参加している高良もこの映画祭の広がりを肌で感じているそうで、「熊本の街を歩いていると、映画祭のおかげで映画を見るようになりました! と声をかけてもらうことが増えました。それはこの仕事しているなかで一番大切にしていることです。そういう意味でも、今年もまた感動しています」と嬉しそうに語った。
ヒロインを演じた倉科は「まだまだ苦しいなかで希望を見つけ、起きてしまったことを強さに変え、前に進んでいく、熊本の人たちはつよかねって思います。より一層、熊本が大好きになりました」とエールを送った。
熊本出身ではないが、父親のルーツが熊本にあることから「幼少の頃から熊本への意識があった」という斎藤は、この映画祭が「作り手と観客、双方向から盛り上がっている」と魅力を語った。「この復興映画祭を経て映画人になる若者が生まれたらいいなという思いで、みんなで映画祭を作っている。しかもここから生まれる作品があるというのは、かなり稀有な映画祭だと思います。こんなにも熱を帯びた祭ができるんだと感動しています」。また、同映画祭で斎藤の監督作「blank 13」が特別招待上映されるほか、4月7日の深夜に開催される「真夜中の映画祭vol.4」にもスペシャルゲストとして登場する。
行定監督が「この映画祭のモットーは、作り手だけでなく観客のひとりひとりが映画の楽しさを知る、映画の力を知ることです。パワフルな映画、いま観るべき映画、力のある映画を揃えたつもりです」と選んだ今年の映画祭の特集は、薬師丸ひろ子。「メイン・テーマ」「Wの悲劇」「今度は愛妻家」の上映とともに、スペシャルトークショーが用意されている。
くまもと復興映画祭は、4月8日まで開催。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
舘ひろし、芸能生活50年で初の冠番組がスタート! NEW
【“新・放送局”ついに開局!!】ここでしか観られない“貴重な作品”が無料放送!(提供:BS10 スターチャンネル)
室町無頼
【激推しの良作】「SHOGUN 将軍」などに続く“令和の時代劇ブーム”の“集大成”がついに来た!
提供:東映
サンセット・サンライズ
【新年初“泣き笑い”は、圧倒的にこの映画】宮藤官九郎ワールド全力全開! 面白さハンパねえ!
提供:ワーナー・ブラザース映画
意外な傑作、ゾクゾク!
年に数100本映画を鑑賞する人が、半信半疑で“タテ”で映画を観てみた結果…
提供:TikTok Japan
ライオンキング ムファサ
【脳がバグる映像美】衝撃体験にド肝を抜かれた…開始20分で“涙腺決壊”の超良作だった!
提供:ディズニー
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
トニー・レオンとアンディ・ラウが「インファナル・アフェア」シリーズ以来、およそ20年ぶりに共演した作品で、1980年代の香港バブル経済時代を舞台に巨額の金融詐欺事件を描いた。 イギリスによる植民地支配の終焉が近づいた1980年代の香港。海外でビジネスに失敗し、身ひとつで香港にやってきた野心家のチン・ヤッインは、悪質な違法取引を通じて香港に足場を築く。チンは80年代株式市場ブームの波に乗り、無一文から資産100億ドルの嘉文世紀グループを立ち上げ、一躍時代の寵児となる。そんなチンの陰謀に狙いを定めた汚職対策独立委員会(ICAC)のエリート捜査官ラウ・カイユンは、15年間の時間をかけ、粘り強くチンの捜査を進めていた。 凄腕詐欺師チン・ヤッイン役をトニー・レオンが、執念の捜査官ラウ・カイユン役をアンディ・ラウがそれぞれ演じる。監督、脚本を「インファナル・アフェア」3部作の脚本を手がけたフェリックス・チョンが務めた。香港で興行ランキング5週連続1位となるなど大ヒットを記録し、香港のアカデミー賞と言われる第42回香港電影金像奨で12部門にノミネートされ、トニー・レオンの主演男優賞など6部門を受賞した。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。