【映画メシ!】キネカ大森が愛してやまない老舗洋食屋の絶品オムライスに舌鼓!
2018年4月6日 12:00

[映画.com ニュース] 素敵な映画には、素敵なカロリーを――映画.comが美味しい食べ物を求めてさすらう「映画メシ!」第2弾をお届けします! 今回、美味しそうな匂いを嗅ぎつけて訪れたのは、東京・大田区の大森。同地で営業を続ける映画館「キネカ大森」がおすすめしてくれたのは“あの方”も大好物だった逸品です。
「映画メシ!」第2弾を紹介してくれた「キネカ大森」は、1984年日本初のシネコンとしてオープン。新作に加えて、2本立ての名画座上映、観客が監督やスタッフたちとトークを交わす恒例企画“しゃべれ場”、そして「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「バーフバリ」シリーズなどを取り上げた応援上映・絶叫爆裂上映といった参加型企画も人気を博す劇場です。

話をうかがったのは、同館の最年少スタッフとして働きつつ、役者としても活動する村上直樹さん。「南極料理人」「かもめ食堂」の魅力として共通するのはおにぎりの描写、「チャーリーとチョコレート工場」に登場するチョコレートの池で「泳ぎたい」と根っからの食いしん坊な村上さんは、「キネカ大森で働けてよかった」と感慨深そうに語ります。「他の映画館よりも時間の流れがゆっくりと言いますか、とてもリラックスできる場所だと思うんです。常連さんにはお菓子をもらうこともあったり、アットホームな雰囲気。個人的に劇場の利点だと思っているのは、新作の公開が都内よりも遅めだということ。スクリーンで見逃してしまった作品を求めて、遠方からお客さんがいらっしゃることもあるんですよ」と劇場スタッフならではの視点で、同館の魅力を話してくれました。
「食べ歩きも大好き」だという村上さん一押しのお店は、1924年に創業した老舗の洋食屋「洋食入舟」。現在の店舗は戦後に建てられ、1階はテーブル席を主体とした開放感あふれるスペース、2階は会食にも利用できそうな個室スタイルで営業を行っています。今ではあまり面影はありませんが、かつてお店の周辺は華やかな花街でした。4代目店主・松尾信彦さんの話によれば「当時はうちの店も2階だけで営業をしていて、1階は運転手さんの待合室だったんです。1973年のオイルショックを契機に、ランチも提供することになり、1階も使用することになりました」とのこと。ランチタイムは多くの人で賑わう「洋食入舟」。今回は2階の個室に案内していただきました。

クラシカルな内観にうっとり――しかも、無料のドリンクコーナーまであるじゃないですか! 嬉しいサービスで一息ついた後、さらに素敵なおもてなしが待っていました。それは先付けとして出される「じゃがいものスープ」。その素朴な味わいが、癒し効果抜群。メイン料理を目前として、伸びきってしまった舌に「ちょっと落ち着きなさいな」と諭してくれるかのようです。まもなく運ばれてきたのは、ケチャップがてりてりと光る「オムライス」(810円)。村上さんのチョイスには、食通ならではの理由がありました。
村上さん「色々なお店のオムライスを食べてきたんですが、なかにはご飯の味付けにばらつきがあるものも。でも、このオムライスに関しては、味付けが驚くほど均一なんです。簡単につくれそうで、なかなか出来ない技術だと思います。最初に食べた時は『美味しい!』という感想が先行したんですけど、段々と『あれ、味にばらつきがない!』と。本当に奥深くて、僕にとっては『THEオムライス』、つまり原点なんです。女性の方でも食べやすい量ですし、映画を見終わった後には、腹8分目、ほっこりとした気持ちになれるはずです」
ケチャップライスを優しく包み込んでいたのは、オーソドックスな薄焼き卵。スプーンを突き立てた瞬間の“プツッ”という感触がたまりません。村上さんの仰る通り、食べ進めても一切飽きのこない味わい、ひと口ごとに感じる炒めのテクニック、そしてケチャップのほのかな酸味――セロトニン大放出です。ディナータイムにはふわとろ卵バージョンのオムライスも提供されているようですが、この村上さん一押しのオムライスを愛する方がもうひとり――それは「キネカ大森」とゆかりの深い俳優・片桐はいりさんです。

「キネカ大森」に通い詰めていたことから、余暇の際には“もぎり嬢”として活躍中。「チケットのもぎりだけでなく、劇場内の清掃をしていただいたり、お客様を番号札順に呼んでいただくということもあります。僕からしたら、役者の先輩であり、スタッフとしての先輩でもあるんです」(村上さん)と同館ではすっかりお馴染みの片桐さん。テレビ番組で「洋食入舟」のオムライスを推薦するほど、お気に入りの1品なのだそうです!
メニューで気になっていたのは、お店の名前を掲げた「入舟ライス」(750円)。人参、ピーマン、タマネギといった野菜を中心とした具材、塩コショウ&醤油のシンプルな味付け、「入舟」の2文字を冠したのは、意外な方でした。「かつて常連のお客様が野菜中心に炒めたものを作ってほしいと仰られたので、ご要望通りにお作りしました。そのお客様が次に来店された時『入舟ライス』と注文されたことが、名前の由来なんですよ」(松尾さん)と老舗ならではのユニークなエピソードもお聞きすることができました。

頭から尻尾まで丸ごと食べられる旬のおすすめメニュー「天使の海老・海老フライ」(1450円)も猛プッシュしてくれた村上さん。「洋食入舟」以外にも、大森には感動に打ち震えるお店があるようです。まず教えてくれたのは、旨すぎる「麺」のお店!
村上さん「まずはラーメン店『Homemade Ramen 麦苗』です。大好きなのは、特製醤油らあめん。食べた瞬間に思わず涙がじわっと出て(笑)。種類の異なるチャーシューは、ラーメン全体をトランプだとすると、ジャック、クイーン、キングと表現しても過言ではないはず。『SOBA DINING QUATTRO(ソバダイニング クワトロ)』は器にもこだわっていて、味も格別。最近では『布恒更科(ぬのつねさらしな)』の蕎麦にもハマっています。鼻から抜ける蕎麦の香りがすさまじいんです」

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