ルイス・ギルバート監督が97歳で死去 「アルフィー」「007 私を愛したスパイ」など
2018年3月1日 11:00

[映画.com ニュース] 「アルフィー」や「007 私を愛したスパイ」などを手がけた英国の名監督ルイス・ギルバートが2月27日(現地時間)、97歳で死去した。
1920年、ロンドンに生まれたギルバート監督は、子役としてキャリアをスタートさせたものの、アルフレッド・ヒチコック監督の「巌窟の野獣」にアシスタントとして参加したのを機に監督を志すようになる。
第二次世界大戦中は英国空軍に従軍し、ドキュメンタリー映画を製作。除隊後しばらくは、「殴り込み戦闘機隊」や「ビスマルク号を撃沈せよ!」など戦争映画を多く手がけていたが、次第にコメディや恋愛物など多様なジャンルへと演出の幅を広げ、66年、マイケル・ケイン演じる女たらしで自己中心的な主人公の恋模様をアイロニーたっぷりに描いた「アルフィー」で、第19回カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞。第39回アカデミー賞では作品賞を含む5部門にノミネートされた。翌67年、「007は二度死ぬ」の監督に抜擢されたギルバート監督は、「007 私を愛したスパイ」(77)、「007 ムーンレイカー」(79)のシリーズ3作でメガホンをとっている。
80年代に入ってからも、ケインとジュリー・ウォルターズの再タッグで美容師と大学教授の間で芽生える思いがけない恋を描き、英国アカデミー賞作品賞に輝いた「リタと大学教授」(83)、40歳を過ぎて再び自分の人生を見つめ直すひとり女性の姿をコメディタッチで描いた「旅する女 シャーリー・バレンタイン」(89)など数々の秀作を世に放ったギルバート監督は、その功績が認められ、97年に大英帝国勲章(CBE)を受勲、2001年には英国映画協会(BFI)最高の栄誉であるフェローシップを授与された。
60年にわたる長いキャリアで40本を超える映画を手がけてきた名匠の訃報に、早くも映画関係者から追悼のコメントが多数寄せられている。「アントマン」のペイトン・リード監督が、「僕が映画館で見た初めてのボンド映画『007 私を愛したスパイ』のルイス・ギルバート監督が亡くなった。僕の新作『アントマン・アンド・ザ・ワスプ』には、『007 ムーンレイカー』へのちょっとしたオマージュが含まれているんだ」とツイート。「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライト監督も、「『アルフィー』『リタと大学教授』『旅する女 シャーリー・バレンタイン』、そして僕が一番好きなボンド映画『007 私を愛したスパイ』を手がけた、英国が誇る偉大な映画監督ルイス・ギルバートよ、どうか安らかに」という追悼メッセージを、自身のツイッターに掲げた。
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