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ベルリン国際映画祭でガス・バン・サント新作上映 ホアキン・フェニックスも真摯に応対

2018年2月24日 13:00

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ガス・バン・サントの最新作「Don’t worry, he won’t get far on foot」
ガス・バン・サントの最新作「Don’t worry, he won’t get far on foot」
(C) 2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC / Scott Patrick Green

[映画.com ニュース] 現在開催中のベルリン国際映画祭で、ガス・バン・サントの最新作「Don’t Worry, He Won’t Get Far on Foot」が上映され、大きな称賛を浴びた。

レッドカーペットにはバン・サント監督とともに主演のホアキン・フェニックスが登場し、ファンを喜ばせた。フェニックスが演じるのは、事故により半身麻痺になった漫画家で、2010年に59歳で他界したジョン・キャラハン氏。ジョナ・ヒルルーニー・マーラジャック・ブラック、シンガーのベス・ディットーキム・ゴードンら、この監督らしいユニークなキャストが揃い、癒しと再生の物語を、ときにユーモアを交えながら力強く描く。

会見では、キャラハンと同じポートランドに住むバン・サント監督が、もともと俳優のロビン・ウィリアムスがキャラハン氏の自伝の権利を買い、映画化する予定だったことを明かした。ふだんあまり公式の場で話したがらないフェニックスは、「質問にうまく答えられない」などと照れながらも、真摯に記者の質問に応対。さらにベルリンについて「これまで映画祭は苦手だったけれど、今回ガスがイベントで若い監督たちに接しているのを見て、初めて刺激的だと感じ楽しむことができたよ」と語った。

前半のコンペティション作品で群を抜いて評価が高いのは、オープニングのウェス・アンダーソン監督作「犬ヶ島」と、20世紀ロシアの反体制的な詩人ドブラートフのわずか6日間をアレクセイ・ゲルマン・ジュニアが描いた伝記「Dovlatov」。後者はカメラを「イーダ」のウカシュ・ジャルが担当し、当時のロシアン・アンダーグラウンド・アート界の雰囲気を詩的に表現した個性的な作りだ。

また2011年7月にノルウェーのウトヤ島のキャンプ場で起こったテロリストによる無差別殺人事件を映画化し、1ショットの長回しで撮った話題作「U-July22」は、どちらかといえば賛否が分かれる形になった。監督のエリック・ポッペはリアルなドキュメンタリースタイルで、実際にテロリストのアタックが続いた72分間の尺をそのまま、映画の中でも再現している。もっとも、臨場感あふれるカメラが誰の視点なのか曖昧な点に違和感を覚え、閉所の息苦しさが逆にマンネリ感を差し出すという意見も聞かれた。

後半にはフィリピンのラブ・ディアズによる234分のミュージカル風大作「Season of the devil」や、フィリップ・グレーニング(「大いなる沈黙」)の「My Brother’s name is Robert and he is idiot」といった注目作が控える。(佐藤久理子)

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