反ウッディ・アレン俳優が急増 養女がセクハラ被害暴露で
2018年1月22日 12:05
[映画.com ニュース] ウッディ・アレン監督の養女ディラン・ファローさんが1月18日(現地時間)、米CBSのニュース番組「ディス・モーニング」に出演し、子どものころ義父から受けた性的虐待について激白したのを受け、俳優たちから非難が殺到。アメリカ映画界を代表する名匠が矢面に立たされている。
アレン監督が女優ミア・ファローと交際していた時期に養子に迎えられたディランさんは、アレンがもう1人の養女スン=イー・プレビンさんと性的関係をもったことが原因でファローと破局した後、米ニューヨーク・タイムズ紙に宛てた書簡を通じて養父から性的虐待を受けていたと告白。昨年12月にも再び、米ロサンゼルス・タイムズ紙に同様の書簡を寄せていたが、カメラの前で自ら詳細を語ったのは今回が初めてのことだ。
インタビュー放送直後から、アレン監督の新作「A Rainy Day in New York(原題)」に出演したティモシー・シャラメとレベッカ・ホールが、同映画の出演料をチャリティー団体に全額寄付すると発表。さらに、エレン・ペイジ、ミラ・ソルビノ、グレタ・ガーウィグといった女優らが、アレン監督作への出演を後悔しているとコメントするなど、非難の声は後を絶たない。
2004年のアレン監督作「メリンダとメリンダ」に主演したクロエ・セビニーが、現在開催中のサンダンス映画祭で米バラエティに、「今ではあの映画に出たこと自体を後悔しているくらいよ。彼の作品に出ることは、おそらくもうないと思う」と明言。一方で、「ミッドナイト・イン・パリ」(11)でアドリアナ役を演じたマリオン・コティヤールは、「私生活についてはよく知らなかったけど、養女と結婚したと聞いて、正直ちょっと気持ち悪いと思ったのを覚えているわ。撮影現場でもどこかギクシャクしていて、私にとってはあまり良い体験ではなかったし、彼と仕事をすることはもうないでしょうね。今回の報道が事実か否かは、当事者じゃないから何とも言えないけれど、ディランさんが苦しむ姿を見て胸が痛くなったということだけは確かね」と米ハリウッド・レポーターに語った。
アレン監督に対して非難の声をあげているのは、女優だけではない。「マジック・イン・ムーンライト」(13)で主演を務めたコリン・ファースは、ディランさんのインタビュー放送からわずか数時間後、「アレン監督とは2度と仕事をしない」と英ガーディアン紙に明言。「Time’s Up」に代表されるハリウッドのセクハラ撲滅運動がますます勢いづくなか、本人はかたくなに否定するも、これまで幾度となく小児性愛者と指摘されてきたアレンに対する性的虐待疑惑が再燃することは必至だろう。