上川隆也&山本耕史&ブルゾンちえみ、「ジオストーム」声優を経てキャリアに変化?
2018年1月20日 19:00
[映画.com ニュース] 地球のあらゆる気候をコントロールする人工衛星の暴走が、異常気象と地球規模の大災害を引き起こすディザスター(大災害)超大作「ジオストーム」(公開中)。斬新な設定に加えて、寒波や熱波、地割れ、大洪水、竜巻といったディザスター映画の要素を“全部乗せ”した本作の日本語吹き替え版には、声優経験も豊富な実力派の上川隆也、テレビ・映画・舞台と幅広く活躍する山本耕史、そして昨年文字通り“旋風”を巻き起こしたお笑いタレント・ブルゾンちえみが参加し、個性的なキャラクターたちに命を吹き込んでいる。
上川が演じるのは、宇宙ステーションの生みの親であり、国際的な対策チームのリーダーを任される主人公ジェイク(ジェラルド・バトラー)。「家族や仲間たち、何より自分が作り上げた宇宙ステーションに対する思い入れの強さが印象的なキャラクターですね。クライマックスで迫られる“ある決断”も、潔くて心の中で思わず『あっぱれだな』と。しかも、バトラーさんがカラッと演じているんですよ。その大きな持ち味を、日本語でいかに表現するかが課題でした」と振り返る。
「かぐや姫の物語」「ファインディング・ドリー」などアニメ作品の声優を務めた経験はあるが、実写の吹き替えは初めて。「自分なりの色付けがしやすいアニメに比べると、実写は演じている役者さん、今回であればバトラーさんの演技や感情に“寄り添う”要素が強かった」と明かし、「最優先に考えたのは、映像の邪魔にならないこと。実際、やってみると、とてつもなく難しい作業でしたが、ハードルが高い分、やりがいもありました」と手応えを示す。
山本はジェイクの弟で、アメリカ合衆国国務次官補に就く若きエリートのマックス(ジム・スタージェス)を熱演する。「自分にも兄がいるので、共感しやすかったですね。兄弟というのは、ぶつかり合っても、心のどこかで信頼し合っているもの。特にジェイクとマックスは、性格も立場も正反対ですが、やはり協力し合う道を選ぶ。その関係性がとても感動的に見えましたね」と本作のカギとなる“兄弟愛”について、自身の人生と重ね合わせて語る。
兄と共に人類存亡の鍵を握るという、ハリウッド映画ならではのキャラクター設定については「ちょっと想像つかないというか、夢みたいな職業なので、食らいつくのが大変だった」というが、「いろんな人生を体験できるのが、俳優のだいご味。ハリウッド映画の吹き替えなら、なおさらですし、とても光栄でした」と満足そうな表情を見せる。「映像の1つひとつが想像をはるかに超えるスケール感で、自分の演技も忘れて、興奮してしまった」と映画をアピールする声にも熱が入る。
そんな俳優2人が「役柄にハマっているし、口跡がすごく良い」(上川)、「声に艶(つや)があってセクシー。今後も声のお仕事が来ると思う」(山本)と絶賛するのが、ブルゾンの声優ぶりだ。劇中ではマックスの恋人で、米大統領を警護する女性シークレットサービスのサラ(アビー・コーニッシュ)を演じる。恋も仕事も手にした、まさに“キャリアウーマン”で、持ちネタの「35億」ならぬ、全人類70億人を救うため、男性顔負けの活躍を披露する準主役級の役どころだ。
堂々たる演技を見せたブルゾンは、「お堅い職業ですけど、決して無機質なロボットではなく、ちゃんと恋愛をしているところが、サラに好感を持てる理由ですね。職場でマックスにちょっかいを出されると『仕事中だから、やめて!』ってきっぱり言えるし、家に帰れば彼に甘えて、素の部分も見せる。こんな風に振る舞えたら、格好いいですし、実際あこがれますね」とキャラクターへの愛着を語る。
声優という初めての経験を通し、「声の高さだったり、声を出す口の形など丁寧に指導していただきました。たった1秒の演技でも、意識しないといけない点がたくさんあって、もう大変の一言。改めて、声優さんのことを心から尊敬しましたし、何かを表現するという意味では、とても勉強になりました」と新たな“キャリア”に自信を深めていた。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。