毎熊克哉“眼力”で大抜てき! 吉永小百合主演作「北の桜守」で熱演披露
2017年10月6日 05:00
[映画.com ニュース] 第28回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門で作品賞を受賞した「ケンとカズ」で注目を集めた俳優・毎熊克哉が、吉永小百合の120本目の出演作となる「北の桜守」に参加していることがわかった。第71回毎日映画コンクールでは「ケンとカズ」での演技が高く評価され、スポニチグランプリ新人賞を獲得した毎熊。その表彰式の場で、運命の出会いが待ち受けていたようだ。
「おくりびと」で米アカデミー賞外国語映画賞を戴冠した名匠・滝田監督がメガホンをとった今作は、北海道を舞台にした「北の零年」「北のカナリアたち」に続く“北の三部作”の最終章。戦中から戦後にかけて北の大地で懸命に生きた親子の約30年にわたる軌跡を描く。毎熊は、終戦時に樺太から引き揚げてきた江蓮てつ(吉永)とその息子修二郎を救う闇米商・菅原信治(佐藤浩市)の助手・岩木役を演じている。
2月に行われた第71回毎日映画コンクールの表彰式。当時29歳で新人賞を獲得した毎熊の才能を見逃さなかったのは、本作の製作総指揮を務める東映の岡田裕介会長だった。「岩木役は他にも色々と候補者がいたのだが、すでに決まっていた出演者はどの方も一線で活躍する名優たち。 一人くらいは若い人を抜てきしたかった。毎熊君は、目力…眼力があった」と式の場で自らオファーしたようだ。「彼にとっても、この時期に名のある俳優と共演することは良いことだと思った。僕らが育てるなんておこがましいが、昔の東映映画に出ていた俳優のような、怖さが出せる俳優になってくれたら」と思いの丈を述べている。
出演決定に驚きを隠せなかった毎熊は「そうそうたるキャストの皆さんの中で、自分のようなまだキャリアの少ない新人が参加できるのは、夢のようであり、嬉しくもあり、とても怖かったです」と当時の心境を告白。滝田組の印象については「ところどころ厳しいなと思うところはあれど、監督は必要最低限のヒントだけを与えて、『あとは頑張れよ!』という感じでした。演出がどう…と言う事は、まだ自分は言えないですね。ただ、カメラマンの浜田(毅)さんとの連携がカッコ良くて、やはり何度も一緒に映画を撮影されているからこその空気があって、それをみたら『もうこの人たちについていこう!』という、その気持ちだけでやり切りました」と語っている。
吉永と話す機会は少なかったようだが「現場に入る際にご挨拶をすると、僕の目をみて『おはようございます』『よろしくお願いします』とおっしゃってくださったのが凄く印象に残っています。改めて、凄い方なのだと感じました」としみじみ。多くのシーンをともにした佐藤については「佐藤さんも口数多い方ではないという印象で、緊張しながらご一緒したのですが、細かいことにも、さらっと気遣ってくださるんです。本当に渋くてかっこいいアニキでした」と尊敬の念をにじませている。
「全員死刑」(11月18日公開)、「空飛ぶタイヤ」(18年公開)といった待機作も控える毎熊。吉永は、俳優として着々と成長し続ける毎熊に「今回の北海道ロケ、毎熊さんにとって厳しいシーンばかりでしたが、なんなくしっかりと演じていらした。感心しています。これから更に存在感を発揮されることでしょう! 応援していますよ」とエールを送っている。
「北の桜守」は、2018年3月10日から公開。
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