全員死刑
劇場公開日:2017年11月18日
解説
本物の不良少年たちを起用して描いた「孤高の遠吠」で注目された小林勇貴監督の商業映画デビュー作で、2004年に福岡県大牟田市で発生し、被告である家族4人全員に死刑判決が下った強盗殺人死体遺棄事件を映画化。死刑囚として獄中にいる次男の手記をベースにした「我が一家全員死刑」を原作に、未だその真相が解明されていない凶悪事件が描かれる。借金を抱え、困窮した生活を送っていた4人の家族。近所の資産家一家が脱税で蓄財していることを知った彼らは、資産家一家の金を強奪する計画を企てる。無謀な計画から1人が殺害されたことをきっかけに家族はさらに暴走。最終的に4人を殺害するまでエスカレートしていく。主人公の次男タカノリ役を「帝一の國」「トリガール!」の間宮祥太朗が演じるほか、長男役を毎熊克哉、両親役を六平直政、入絵加奈子、タカノリの恋人役を清水葉月がそれぞれ演じる。
2017年製作/98分/R15+/日本
配給:日活、東京テアトル
スタッフ・キャスト
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2022年5月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
新進気鋭、小林勇貴監督の作品ということでハードルを上げてしまったのか、それとも小林監督の気合いが空回りしてしまったのか。何やらとっ散らかった、どうにも解せない凡作に感じてしまった。ただ単に、おじさんが若い感性に追いつけなくなってしまっただけなのだろうか。
殺人という大きな罪をあえてライトに描いているのかもしれないが、そのせいか人間像に厚みがない。家族への思いも、恋人への思いも伝わってこなかった。むしろ、小人を現代映画にキャスティングしちゃうぜー!タブーに切り込む俺って凄くね?カッコよくね?みたいな072感が漂い、何とも小っ恥ずかしい。
大人になることは、決して恥ずかしいことではない!と気づいた後の小林監督に期待しよう。何せまだ、(当時)26歳なのだから。今回の一番の収穫は、間宮祥太朗を観たいがために来場したであろう若年層が口にした、終演後の「トラウマだよー」という台詞である。みんな大人になればイイ。
2022年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
実際の事件を元にしているという部分以外は見るべき部分がない映画。
変にチープすぎるホラー的な要素があるものだから尚更に安っぽく見える。
(ホラー要素が怖かったという人がちらほらいるけど、こんなんで怖いなら本当のホラーを見たら失神するんじゃない?)
主演の俳優の演技はなかなか良かったが、映画自体が駄目すぎて俳優の無駄遣いとしか言えない。犯人らのあまりの馬鹿さ加減を作品全体に投影した作りなのかもしれないが、さっき書いたように主演俳優の演技が良いだけにちぐはぐさを増幅させるだけで最後まで見るのがきつかった。というか何でこんな映画に出たの?という疑問しか残らなかった。
2022年1月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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一体どこに住んでるの?何の予備知識もないままアマプラで視聴したけど、登場人物たちの方言が気になってしょうがなかった。「じゃん」「るら」「っけ」「けん」など静岡、山梨、愛知(三河)の方言を中心として、北海道弁や広島弁まで混ざってるような気がした。もう太平洋ベルト方言地帯。オリジナル方言もここまで徹底すれば記憶に残ってしまいます。
人の命を何とも思っていない無味乾燥の空気感に短絡思考の二千万強奪計画。その金にしても実際に存在するのかわからないほどだ。暴対法が施行されたせいか、小さなヤクザ組織も存亡の危機にあった状況もわかるし、真面目に働こうという気持ちがないのもわかる。しかし、最初の殺人に至るまでの経緯について行けなかった。
歯止めをかける者はいなかったのか?兄弟のそれぞれの恋人にしても、人間味が感じられず、全員がヤク中になってるとしか思えなかったからかなぁ。
ところが終盤になって一気に訴えてくるものがあった。全員バカなのだ!と・・・。犯罪を隠蔽しようとする様子もなく、ただただ殺しと強奪に夢中になる地獄絵図。こんな危険な奴らは生かしておくだけで人類にとって恐怖になるものだと、全員死刑になるのも当たり前だと訴えてくるのだ。
残念なのは、そうした作品の意図を最初から示してくれれば良かったのにという点だろうか。サトシ(毎熊)の性格がズルい一面を持っていたから期待してたのに・・・期待するほうがバカだったかな。なお、人はなかなか死なないというリアルな描写は良かった。